州の取り締まりに「待った」連邦地裁が判断
米・テネシー州の連邦裁判所は、予測市場を運営するカルシ(Kalshi)に対する州当局の業務停止命令について、執行を一時的に差し止めた。
訴訟が続く間、同社は州内でのサービス提供を継続できる。米連邦地方裁判所のアレタ・トラウガー(Aleta Trager)判事は月曜日、テネシー州スポーツ賭博協議会と同州司法長官による強制措置を停止する暫定的差し止め命令を発令。これにより州当局は、少なくとも2026年1月26日(月曜日)に予定されている仮差し止め命令審問まで、州のスポーツ賭博やギャンブル関連法をカルシのプラットフォームに適用できなくなる。
判事は、州の措置がこのまま進めば、カルシは深刻で回復不能な損害を被るおそれがあると指摘したうえで、同社の法的主張が認められる可能性は高いとの見方を示している。今回の判断は最終的な結論ではないが、係争中の事業活動を守るための暫定的な判断と位置付けられる。
州が求めていた業務停止と制裁内容
テネシー州の規制当局は1月9日、カルシのほか、Polymarket(ポリマーケット)やCrypto.comに対し、州民向けのスポーツ関連イベント契約の提供を停止するよう求めていた。
通知では、未決済契約の無効化と利用者への返金を行い、1月31日(土曜日)までに州内でのすべての活動を終了するよう指示している。命令に従わなかった場合、違反1件につき最大2万5,000ドル(約396万円)の民事罰が科される可能性があるほか、悪質な賭博促進として刑事責任を問われるおそれも示されていた。
連邦規制か州賭博法か、管轄を巡る争い
カルシはこれらの措置に対し、州当局が権限を逸脱しているとして連邦裁判所に異議を申し立てた。
同社は、自社がCFTC(米国商品先物取引委員会)の規制下にある指定契約市場として運営されており、連邦デリバティブ法が州の賭博法に優先すると主張している。同社によれば、提供しているスポーツイベント関連の契約は賭博商品ではなく、連邦が監督するデリバティブ取引に該当する。一方で州側は、消費者保護や市場の健全性、州のライセンス制度が形骸化する可能性などを懸念してきた。
他州で分かれる判断、次の焦点は1月26日
同様の対立は他州でも起きており、ニュージャージー州とネバダ州の連邦裁判所は、州による賭博法の執行を一時的に差し止める判断を示した。
一方、メリーランド州の連邦裁判所は昨年、同様の申請を退け、州当局による執行を認めており、こうした判断の違いは、スポーツイベント契約を連邦規制の対象と見るのか、それとも州の管轄下にある賭博と捉えるのかという評価が、裁判所ごとに分かれている現状を映している。
テネシー州での執行措置はいまも保留されており、1月26日の仮差し止め命令審問が、今後の方向性を占う節目となる。
























