小口投資家が上場前に新規トークンへ参加できる仕組みを構築
コインベース(Coinbase)は、仮想通貨プロジェクトがトークンを公開前段階で販売できる新たな提供プラットフォームを開始した。
これにより、これまで主に大口投資家が中心となっていた初期トークンの購入機会が小口投資家にも広がる。米国で個人が公開トークン販売に広く参加できるのは、2018年以降では初めてとなる。
Token launches needed a change. So we built it.
We put you first by prioritizing regular people and supporters, not snipers, flippers, or whales.
More here ↓https://t.co/6OqlF9jrbt
— Coinbase 🛡️ (@coinbase) November 10, 2025
トークンのローンチには変化が必要でした。そこで、私たちは変化を起こしました。スナイパーやフリッパー、クジラではなく、一般ユーザーとサポーターを優先することで、皆さんを第一に考えています。
新プラットフォームでは、トークン販売は月に1回実施され、購入希望者は販売期間中に申し込みをし、トークンの配分は先着順ではなく、“ボトムアップ方式”のアルゴリズムで決定され、小口参加者を優先しつつ大口の注文を段階的に充当する設計となっている。大口による買い占めを防ぎ、小口投資家に一定の参加枠を確保する意図がある。
購入にはコインベースアカウントの完全な認証が求められ、支払いにはCircle(サークル)が発行する米ドル連動ステーブルコイン「USDC」が使用される。参加者に追加手数料は発生せず、発行体がセールで調達したUSDCに基づく手数料を支払う。また、上場直後にすぐ売却したユーザーは、次回以降の販売で受け取れるトークン量が減る可能性があり、短期売買よりも長期的なコミットメントを促す設計となっている。
また、発行者側にも透明性が求められる。プロジェクトはトークノミクスやリリース計画などの詳細を開示する必要があり、創設者、発行体およびその関連会社はセール後6カ月間のロックアップを遵守する。ロックアップ期間中の売却は、コインベースの承認と公開開示が条件となる。
プラットフォームはローンチ時点で世界の大半のユーザーに提供され、今後さらに地域を拡大する予定だ。初回の販売対象は高性能レイヤー1チェーンを開発するMonadの「MON」となる。メインネット立ち上げに先立ち、11月17日から22日にかけて販売が行われる予定だ。
初期トークン流通の再設計と市場成熟に向けた動き
今回の取り組みは、初期段階のトークン販売構造をあらためて整備するものとなる。2016~2018年に広がったICO(Initial Coin Offering:新規仮想通貨公開)ブームでは、実態が伴わないプロジェクトにも資金が流入し、規制強化により市場は急速に縮小した経緯がある。
コインベースは今年、オンチェーン資金調達を手がけるEchoを買収しており、資金調達から上場、二次取引までを一体で扱う体制を整えつつある。今回のプラットフォームは、その流れをさらに前進させるものとなる。
透明性と手続きの一貫性を前提とした上場前販売のルールを整備することで、小口投資家にも初期フェーズの投資機会を開きつつ、市場の信頼性向上を図る意図がうかがえる。
























