国内大手の3銀行が独自の円建てステーブルコインを共同発行へ
国内大手3行は、円にペッグされた共通のステーブルコインの導入を検討している事がわかった。
日経ASIAの報道によると、MUFG(三菱UFJフィナンシャル・グループ)、SMBC(三井住友フィナンシャルグループ)、みずほフィナンシャルグループは、規制の明確化を受け、ステーブルコイン市場への参入を計画している。円にペッグされたステーブルコインの詳細は公式発表されていないものの、相互運用性があると予想されている。3行は、MUFGのRWA(現実世界資産のトークン化)のデジタル化を目的とした「Progmat(プログマ)」を活用し、円建てステーブルコインを共同発行し、決済および法人決済の近代化を目指していく。
3行は計30万以上の法人顧客にサービスを提供しており、企業内および企業間決済において相互運用性を確保するため、トークンの標準化を目指しており、コンソーシアムは、年末までにステーブルコインの展開を見込んでいる。このプロジェクトが成功すれば、統一されたフレームワークの下で、日本初の銀行支援型ステーブルコインネットワークが構築される可能性がある。
ただし、3行は円建てステーブルコインの詳細について、現時点では公式に発表していない。
日本国内における仮想通貨規制の明確化とステーブルコイン市場の需要
2023年初頭、金融庁は、法定通貨に裏付けられたステーブルコインの開発と普及を促進するための新たな規制枠組みを採択した。
国内のステーブルコイン規制では、認可を受けた銀行、信託会社、および登録送金業者のみがステーブルコインを発行できる。今回共同発行すると予想される3行は、数十年にわたって事業を展開しており、AUM(運用資産総額)は合計で900兆円を超えている。
3,000億ドル規模のステーブルコイン市場は、テザー(Tether/ USDT)やサークル(Circle)社の発行するUSDコイン(USDCoin/USDC)などの米ドル建てステーブルコインが圧倒的なシェアを占めている。
円の役割と国際競争力の強化
3行は、数十年にわたり伝統的な銀行システムの下で業務を展開してきたが、円ペッグ・ステーブルコインの導入により、業務の近代化に取り組んでおり、本格導入されれば、3行の顧客は24時間いつでもほぼ瞬時に決済できるようになる。
円ペッグ・ステーブルコインの導入は、日本銀行からの国債需要をさらに高めると期待されている。