ZachXBTがリップル社を痛烈批判 XRPを出口流動性と断じる

ZachXBTを象徴するペンギン風シルエットとXRPロゴが組み合わさったデジタルイラスト

著名調査員が投資家売り込みを非難

ブロックチェーン調査員のZachXBT氏がXRPとリップル(Ripple)社を厳しく批判している。

XRP保有者は創業者や内部関係者のための出口流動性に過ぎないとし、仕組みは新規参加者の購入に依存するMLM(マルチレベルマーケティング)に近いと主張する。リップル社が公共財や教育への資金提供を欠いている点にも言及し、個人投資家への売り込み体質を問題視した。

支援要請の拒否と指摘の中身

8月28日、XRP保有者の支援要請を同氏は明確に拒否しており、エアドロップ取得を装う詐欺で3万3,000ドル(約485万円)超を失ったケースでも対応しない姿勢を示した。

XRPは新規保有者が増えるほど内部者の売却が容易になり、既に大量のトークンを保有する関係者に資するだけだとする。リップル社がコミュニティ教育や公共財に資金を出していないことも挙げ、カルダノ(Cardano)、パルスチェーン(PulseChain)、ヘデラ(Hedera)にも同様の批判を向けた。

ZachXBT氏はX上でも「XRP保有者は業界に何の価値も提供せず、内部者の出口流動性に過ぎない」と投稿し、他のプロジェクトも同様だと指摘した。


具体例と過去の発言

同氏は過去に、XRP関連の誤情報に踊らされた保有者を強く批判してきた。

ブラックロック(BlackRock)がXRPに投資したと誤解する発言が拡散した件では、実際はオンド・ファイナンスの米国債ファンドがXRPレジャーに拡大した事例だったとして指摘した。小規模な被害事案やミームコイントレーダーからの依頼は時間の無駄とし、今後は10万ドル超の窃盗や進行中の事件に調査を集中させると表明している。

クリス・ラーセン氏の動きとXRPを巡る出来事

リップルラボ共同創業者のクリス・ラーセン(Chris Larsen)氏は、サンフランシスコ市警の監視部門支援に9百万ドル(約13億円)超の寄付をしたとされる。

一方、3月初旬には関連アドレスで10億XRPをアンロックし、1億4,000万ドル(約205.5億円)相当をBithumb(ビッサム)へ送金。直前にトランプ大統領がXRPを米国のデジタル資産バスケットに含めると発表し、XRPは約25%上昇、時価総額は75分で440億ドル(約6.4兆円)増加した。過去にはLastPassのセキュリティ侵害で1億5,000万ドル(※現在レートで約220億円)相当のXRPを失った事例もある。

ZachXBT氏はこうした一連の動きや情報環境が個人投資家を混乱させる土壌になっていると見ている。

調査方針と波紋

同氏は特定コミュニティを狙う意図はないとしつつ、XRP保有者の多くは業界に付加価値を与えないと断じる。

支援の最善策はIC3への届け出と取引所までの追跡であり、XRP専用のフォレンジック支援体制が存在しない現状では個別対応に限界があるとする。

今回の発言はXRPの構造と投資家保護を巡る論点を改めて浮き彫りにしており、内部者に有利な配分や売却、誤解を招く情報拡散が続く限り、個人投資家は不利な立場に置かれやすい。コミュニティが公共財や教育への投資を強め、被害対応の仕組みを整えることができるかが、信頼回復の第一歩になる。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム