CFTC、ナスダック技術で仮想通貨市場の監視を強化

米商品先物取引委員会(CFTC)のロゴとナスダックの看板が並ぶイメージ

CFTCがナスダック技術を導入し監視体制を刷新

CFTC(米商品先物取引委員会)は、複雑化する仮想通貨市場への対応を目的に、ナスダックの市場監視システムを導入すると発表した。

1990年代に設計された従来の監視基盤を刷新し、不正取引や市場操作をより早く検知する狙いだ。仮想通貨や予測市場を含む現在の取引環境は、24時間休むことなく変動し、数分で価格や出来高が急増する。この現状に対し、CFTCは高度な技術なしでは規制当局として取り残されると判断した。

CFTCの取り組みと目的

CFTCはナスダックと連携し、自動アラートやクロスマーケット分析機能を備えた監視プラットフォームを採用。これにより、従来のデリバティブ市場と仮想通貨市場を同時に監視し、異常な取引パターンを素早く把握できる。

さらにCMEグループなどから提供される監視情報の共有が可能となり、従来は機密扱いだったデータも市場参加者に迅速に届けられるようになる。

キャロライン・D・ファム(Caroline D. Pham)暫定委員長は「市場の進化に合わせて規制当局も進化する必要がある」と強調し、今回の刷新がデジタル金融時代におけるCFTCの役割拡大に不可欠だと位置付けた。ウォッシュトレーディングや価格操作といった不正行為を防ぐことで、米国の市場と投資家をより効果的に保護できると説明している。今回の導入は、CFTCを「21世紀の規制当局」として位置付ける近代化計画の一環でもある。

デジタル資産規制の強化と環境変化

今回の動きは、デジタル資産市場の健全性を巡る政治的・業界的な圧力が強まる中で行われた。

米国ではステーブルコイン規制を含む法制度整備が進みつつあり、金融当局にとって仮想通貨市場の監督強化は避けられない課題となっている。CFTCは「Crypto Sprint」プログラムを通じ、ホワイトハウスの勧告に沿った調査や提言を進めており、今回のシステム刷新もその延長線上にある。

ナスダック技術の導入と影響

CFTCが導入するのは、ナスダックの監視システム「SMARTS」である。このプラットフォームはすでに50以上の取引所と20以上の規制当局に採用され、実績ある監視ツールとして広く使われている。

詳細な注文帳データを基に市場横断的な監視を実現し、高頻度取引やボラティリティの高い局面にも対応できる。仮想通貨のように24時間稼働する市場に特に適したシステムとされている。ナスダックのタル・コーエン(Tal Cohen)社長は「今日の金融市場には迅速に対応できるテクノロジーが不可欠だ」と語り、米国市場の公正性と回復力を守るCFTCを支援できることを誇りに思うと述べた。ナスダックにとっても今回の提携は、米国金融市場における監視活動を広げる重要な契機となる。

監視範囲の拡大と市場への影響

新システムの導入により、従来のデリバティブ市場に加え、オンチェーン予測市場や分散型プラットフォームも監視対象となる可能性がある。

観測者は、SEC(米国証券取引委員会)がETF(上場投資信託)承認で監視共有協定を重視している姿勢と同様に、米国の金融当局全体が市場監視の手法を共通化しつつあると指摘する。CFTCがこの取り組みを拡大すれば、仮想通貨市場はより厳格な規制の下に置かれることになるだろう。

CFTCの監視強化は、市場の透明性と公正性を高めると同時に、投資家保護の強化につながる。今回の刷新は、従来の古い基盤を刷新し、急速に進化するデジタル資産市場に対応する大きな転換点となる。

 

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム