ユニオンジャックオイル、ウェストニュートンのガス活用でビットコイン採掘を検討

ユニオンジャックオイルがガス資源活用のために検討するビットコイン採掘をイメージした抽象的イラスト

停滞資産の即時収益化に向けた選択肢

英国の石油・ガス探査企業ユニオンジャックオイル(Union Jack Oil)は、イングランド北東部イーストヨークシャーのウェストニュートン(West Newton)で進むガスプロジェクトの商業化が遅れている状況を受け、現地発電とビットコイン(Bitcoin/BTC)マイニングを組み合わせた活用案を検討している。

輸送インフラの整備を待たずに、未利用ガスを直接収益化し、将来的にはビットコインの企業保有(トレジャリー)を選択肢に含める構想である。

ビットコインマイニングによる現地活用の構想

同社が描くスキームは、ガス田現場に天然ガス発電機とモジュール型のマイニング設備を設置し、産出ガスを燃料としてビットコインをマイニングするものである。

これにより、ガスを市場へ送るためのパイプライン接続や圧縮・貯蔵設備といった大規模インフラを当面必要とせず、プロジェクトを停滞させてきた許認可や建設の遅延を回避できる。現地完結型のため、立ち上げを早めやすく、ネットワーク難易度や価格動向を見ながら稼働規模を柔軟に調整できる点も実務上の利点である。

収益化の即時性と環境面の位置づけ

ガスをその場で発電に転換し、得られた電力でマイニングすることで、ガス販売の準備期間を待たずに収益化へ移行できる。さらに、余剰ガスのフレアリング(焼却)やベント(放出)を抑制できるため、同社は環境面での利点も併せて強調している。こうした手法は、未利用ガスを効率的に活用し、現場の制約条件下でも収益を確保しうる運用として検討が進む。

企業戦略と今後の見通し

ユニオンジャックオイルは、ビットコインマイニングによってガス資源の有効活用と新たな収益源の創出を両立させる狙いである。

マイニングで得たビットコインについては、現金化して運転資金に充てるほか、市場環境に応じて企業資産として保有する選択肢も視野に入れている。現在は技術的・経済的評価を進め、事業化の可否を慎重に見極めている。

適用可能性と参考事例の位置づけ

この計画はウェストニュートンの停滞解消に焦点を置くが、未利用ガスの収益化に資する選択肢として、同様の手法を適用できるかも検討課題となっている。海外では、未利用ガスを活用した現地採掘が収益性と環境配慮の観点から注目されており、同社はこうした事例を参考にしつつ実行可能性を精査する考えである。