メール認証だけでウォレット生成 USDC統合で報酬4.1%も
2025年8月5日(火曜日)、米国の仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)は、開発者向けサービス「Embedded Wallets」を正式リリースした。
アプリ側は数行のコードを追加するだけで、ユーザー登録時にシードレスの組み込みウォレットを自動生成できる。利用者はメールまたはソーシャルログインで即アクセス可能となり、シードフレーズ管理は不要。ウォレットはEVM互換チェーン全般とレイヤー2ネットワーク「Base」を標準サポートし、ステーブルコインUSDCを軸に設計されている。
組み込みウォレットの仕組み
Embedded Wallets は Coinbase Developer Platform 上で提供される。
開発者は数行のコードを呼び出すだけで、ユーザー登録時にシードフレーズ不要の組み込みウォレットを生成できる。利用者はメールまたはソーシャルログインでサインインすると、その場でウォレットが作成される仕組みだ。作成されたウォレットは EVM 互換チェーンと Layer2 ネットワーク「Base」に対応する。
開発フローとユーザー体験
コインベースは「従来のウォレット作成手順を簡素化し、アプリのオンボーディング体験を向上させる」と説明している。鍵管理はバックエンドではなくユーザー側に紐付けられ、シードフレーズを控える手間がないため、ゲームや SNS などの Web2 アプリでも仮想通貨機能をスムーズに統合できる。
USDC 連携と機能拡張の計画
Embedded Wallets にはステーブルコイン USDC が標準で組み込まれており、開発者はオンチェーン決済や報酬プログラムを容易に導入できる。
同取引所は USDC 保有者に年 4.1%の報酬を提供しており、アプリ側はこのインセンティブをユーザーリワードとして活用可能だ。将来リリース予定の SDK には、トークンスワップや法定通貨オンランプの機能が追加される見込みと報じられている。
セキュリティとコンプライアンス
コインベースは「秘密鍵は外部に保存されず暗号化された状態で管理される」とし、開発者向けにコンプライアンス関連のツールを提供する方針も示している。これにより、各アプリは地域の規制要件に合わせた KYC やトランザクション監視を実装できるようになる。