アンカレッジとエテナが提携でGENIUS準拠ステーブルコイン発行へ
アンカレッジ・デジタル(Anchorage Digital)とエテナ・ラボ(Ethena Labs)は、米国初のGENIUS準拠ステーブルコインとしてUSDtbを発行することが分かった。
アンカレッジと合成ドルおよびステーブルコイン発行企業エテナは、2025年7月24日(木曜日)付けの公式発表で、米国で新たに施行されたGENIUS法に準拠した初のステーブルコインと謳うUSDtbの発行で提携。今回の提携は、アンカレッジが連邦認可の仮想通貨銀行としての地位を活用し、米国内で規制対象のデジタルドルを発行するものであり、規制ガイドラインの改善を受け、米国機関からの需要が高まっていることを受け、実現したものだ。
決済会社Clear Junctionのテレサ・キャメロン(Teresa Cameron)グループCFO(最高財務責任者)は、GENIUSの枠組みは金融機関がデジタル法定通貨トークンを安心して利用できるよう、規制上の透明性を提供すると述べており、同氏は次のように語っている。
ステーブルコインは、従来のシステムでは実現できないリアルタイム決済、24時間365日利用可能な状態、そして透明性の向上を実現します。ニッチなイノベーションとして始まったものが、規制対象の事業者がSWIFTなどの従来のネットワークに代わる選択肢を模索する中で、今や不可欠なインフラとなりつつあります。
規制が明確になりつつあるGENIUS法で透明性と信頼性を
アンカレッジのネイサン・マッコーリー(Nathan McCauley)CEO(最高経営責任者)兼共同創業者は今回の発表に際して次のように述べている。
GENIUS法の成立により、規制の明確化が図られ、Anchorage Digital Bankのような連邦規制対象の機関がステーブルコイン・エコシステムに全面的に参加できるようになります。Ethenaの米国市場への製品導入を支援できることを誇りに思います。これにより、パートナー企業にさらなる透明性と信頼性を提供できるでしょう。
さらに、エテナのガイ・ヤング(Guy Young)CEOは、GENIUS法への準拠により、パートナー企業や保有者がUSDtbを新たな製品やプラットフォームに広く普及させることができると確信を示し、このステーブルコインへの需要が既に堅調であることを指摘した。
USDeステーブルコインを開発するEthena Labsは、フィデリティ(Fidelity)、フランクリンテンプルトン(Franklin Templeton)、ドラゴンフライ(Dragonfly)、バイナンス・ラボ(Binance Labs)、バイビット(Bybit)、OKXといった主要企業から支援を受けている。一方の、シリーズDの資金調達ラウンドで30億ドル以上の評価を受けたアンカレッジは、a16(Andreessen Horowitz:アンドリーセン・ホロウィッツ)、GIC、ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)、KKR、ビザ(Visa)などの投資家から支援を受けている。
なお、エテナが発行する合成ドルと呼ばれるUSDeのロック総額は60億ドル(約8,813.3億円)を超え、米ドル建て仮想通貨の中で3番目に大きな規模となっている。