CETUS、ユーザーからの苦情が続くも取引高でDEXトップ10入り
CETUS(シータス/セタス)は、大規模ハッキングから1カ月後に再稼働し、1億6,200万ドルを回収したものの、スイ(Sui)バリデータによるウォレット凍結を含む資金回収方法は、議論を巻き起こしている一方で、取引高でDEXトップ10入りを果たした事がわかった。
SuiとAptosを基盤とする分散型取引所(DEX)であるCETUSは、5月22日に発生した2億2,300万ドルの壊滅的なハッキング被害から回復し、1カ月後に業務を再開。CETUSは盗難された1億6,200万ドル(約235億円)を回収し、さらに収益を増やすため、Sui財団から3,000万ドル(約43.5億円)の融資を受けている。
CETUSは通常業務を再開したものの、個々のユーザーに異なる状況が発生している。ハッキングの影響を受けたユーザーへの補償プログラムを開始したCETUS だか、Xであるユーザーは、保有するSUIの86%をVaultから受け取ったと投稿。一方で別のユーザーは、影響を受けていないはずの流動性プール(LP)に27%の資金不足があることを指摘し、資金の消失について説明を求めている。
盗まれた資金の一部回収で激しい議論に
注目すべき点は、ネットワークバリデータがハッカーのウォレットを凍結した後、Suiチームが盗まれた資金の一部を回収したことだ。
この動きは仮想通貨コミュニティ全体で激しい議論を引き起こし、多くのユーザーがSuiの分散化と、少数のバリデータが投票権を優位に持ち、ネットワークプロトコルを制御できるという慣行に疑問を呈した。
攻撃後のブログ投稿で、CETUSはユーザーに対し、脆弱性を修正し、影響を受けたすべてのプールデータを修正し、資産とプールのバランスを調整し、補償戦略を策定したことを発表。さらに、再起動前にスマートコントラクトのセキュリティ監査プロセスを開始した事を明らかにした。
計画されていた補償内容に基づき、チームはCETUSの総供給量(チームの未権利化トークンを含む)の15%を、影響を受けたユーザーへの補償として割り当てている。しかし、CETUSの再開には、プールから資金を引き出せないというユーザーからの苦情など、複雑な問題が伴っている。
CETUSぬ向けられる苦境の最中、DEXトップ10に返り咲き
こうした苦情にもかかわらず、CETUSは再開後まもなく、日次取引高でDEX(分散型取引所)トップ10に返り咲きました。
再びランク入りした事実は、表面的な判断では前向きな展開を示していると言えるものの、ほとんどの取引は、ユーザーが1カ月の待機期間を経て取引プラットフォームから資金を請求しようとするという状況に陥る可能性があることから、決して手放しで喜べないのも事実だ。