SEC、ペイパル(PayPal)PYUSDステーブルコイン調査を終了

SECによる調査終了を受けて展開が進むPayPalのステーブルコインPYUSDを象徴するビジュアル

PYUSDの展開に追い風、決済基盤としての成長に期待

SEC(米国証券取引委員会)は、ペイパル・ホールディングスが発行するステーブルコインペイパルUSD(PayPal USD/PYUSD)に対する調査を正式に終了した。

これは、同社が2025年3月31日までの四半期報告書(10-Q)の中で明らかにし、4月29日に公開されたものだ。SECのスタッフは、執行措置を取ることなく調査を終えたとPayPalに通知した。

PayPalは2023年8月にPYUSDをローンチし、Paxos Trust Companyと提携して発行をしてきた。調査は非公開で進められていたが、PayPalは一貫して協力的な姿勢を見せていた。今回の調査終了は、今後の事業展開にとって大きな追い風となる。

PayPalは、PYUSDの普及に向けてユーザー報酬プログラムや加盟店向けのチェックアウト機能の導入を進めている。このステーブルコインは米ドル預金と短期国債で1:1に裏付けられ、パクソス(Paxos)による毎月のアテステーションによって透明性も確保されている。

ブロックチェーン領域では、PYUSDをネイティブ決済手段として導入し、商取引におけるスピードとコスト効率の向上を図っている。ビットコイン(Bitcoin/BTC)やイーサリアム(Ethereum/ETH)の取扱いに加え、PayPal独自のステーブルコイン活用は、同社の仮想通貨戦略の柱となりつつある。

コインベース(Coinbase)は最近、PYUSDの取引手数料を無料化すると発表しており、これにより利用コストの低下とユーザー獲得の加速が見込まれている。

経営陣のコメントと将来展望

仮想通貨部門を率いるホセ・フェルナンデス・ダ・ポンテ氏は次のように述べている。

ステーブルコインは決済コストの構造を根本的に変える可能性がある。ただし、今後数年をかけて浸透していく長期的な取り組みになる。

アレックス・クリスCEO(最高経営責任者)も「ステーブルコインの成長戦略は、今後の決済革新に大きく貢献する」と語り、自信を見せた。

PayPalは、2025年末までに2,000万を超える中小規模の加盟店がPYUSDを導入する計画を掲げている。さらに、2025年第1四半期の決算では、EPSが1.33ドル(約191円)と予想の1.16ドル(約167円)を上回り、売上高も前年同期比1%増の78億ドル(約1兆円)と堅調な成長を記録。好調な業績と規制クリアは、今後のブロックチェーン戦略を後押しする要因となりそうだ。

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム