Uniswap v4(ユニスワップv4)が正式リリース=DeFiの新たな可能性を拡大

Uniswap v4の未来的なビジュアル。ユニコーンのロゴと流動性を象徴する光のラインが、EthereumネットワークとL2エコシステムの拡大を表現。

Uniswap v4が複数のプラットフォームで稼働開始

Uniswap Labs(ユニスワップ・ラボ)は、DEX(分散型取引所)の最新バージョンUniswap v4を正式にリリースした。

イーサリアム(Ethereum)およびL2(レイヤー2)ネットワークに対応し、ガス代の最適化や流動性管理の強化など、DeFi市場における新たな可能性を広げるアップデートとなっている。

Uniswapは公式ブログで、イーサリアム、ポリゴン(Polygon)、アービトラム(Arbitrum)、OP Mainnet、ベース(Base)、バイナンスチェーン(BNB Chain)などでv4が利用可能になったと発表。

日本語訳:
Uniswap v4が登場
ユーザーはUniswapウェブアプリを通じてv4でLPを行うことができ、流動性がv4に移行するにつれて、今後数日間でウェブとウォレットでスワップが展開される予定です。
Ethereum、Polygon、Arbitrum、OP Mainnet、Base、BNB Chain、Blast、World Chain、Avalanche、Zora Networkで稼働中

公式X投稿では「Uniswap v4が登場」とアナウンスされ、ユーザーがウェブアプリ経由で流動性を提供できることが伝えられた。流動性がV4へ移行するにつれ、スワップ機能も数日以内にウェブとウォレットへ導入される予定だ。

Uniswap v4の主な新機能

Uniswap v4では、新たにHooks(フック)機能が追加された。

150以上のカスタマイズ可能なフックが開発されており、流動性管理や取引手数料の動的変更をはじめ、より柔軟なDeFi(分散型金融)アプリケーションの開発が可能となる。これにより、自動流動性管理や条件付きスワップなどが実装でき、開発者が直接プロトコル上で構築・実験できる環境が整う。Uniswapのブログによれば、フックは開発サイクルの高速化と統合の強化を実現するとされている。

ガス代削減を目的としたSingletonモデル

これまでのバージョンとは異なり、Uniswap v4はSingleton(単一コントラクト)モデルを採用している。

これにより、複数のプールを単一のコントラクト内で管理でき、スマートコントラクトの実行コストが削減される。特に、プール作成コストは最大99.99%削減され、新しいプールの立ち上げが格段に容易になった。また、マルチホップスワップによる取引コストの低減も期待できると伝えている。

流動性管理の向上と透明性強化

LP(流動性提供者)は、より効率的に資本を活用できるようになり、従来のUniswapではプールごとに個別のコントラクトが必要だったが、v4では統合され、LPの負担が軽減される。

Uniswap v4のリリースは、当初2024年に予定されていたが、9回の監査や1,550万ドル(約24億円)のバグ報奨金によるセキュリティ強化のため遅延。これにより、Uniswap v4は最も監査されたコードベースの一つとなり、安全性が大幅に向上した。

さらに、Uniswap v4ではネイティブETHを直接サポートし、ラップドイーサリアム(Wrapped Ether/WETH)へのラップやアンラップが不要となっ事により、取引の手間が軽減され、ユーザーエクスペリエンスが向上している。

イーサリアムとL2エコシステムの拡大がもたらす影響

Uniswap v4は、イーサリアムメインネットやL2ネットワークでの展開により、スケーラビリティの向上と取引手数料の削減を実現する。

L2の活用が進むことで、小規模取引のコストが下がり、新規参入者の負担も軽減され、これにより、DEXの利用ハードルが下がり、さらなる流動性の確保につながると考えられる。Uniswap v4の導入は、DeFi市場全体の取引コスト削減や流動性提供者のインセンティブ向上に貢献し、CEXに対するDEXの競争力を高める可能性があることから、今後のアップデートや新機能の追加を通じ、分散型金融のさらなる発展が期待されている。

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2022年1月から仮想通貨を触り始め、みるみるうちにNFTにのめり込んでいった。 現在はWeb3とECの二刀流で生計を立てている 得意なのは喋る事、好きな食べ物はカレー、好きなゲームは格闘ゲーム