テザーがTradFi企業への数十億ドルの融資を検討
大手メディアブルームバーグの2024年10月14日(月曜日)の報道によると、テザー(Tether)は企業への融資を提供することで、TradFi(伝統的金融)市場での地位を強化することを目指しているという。
パオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)CEO(最高経営責任者)は、同社の投資部門が伝統的な金融融資の可能性に焦点を当てた初期段階の話し合いをしたと述べたと報じられている。これらの話し合いの中で同社は、テザーが主流の商品取引で役割を果たす可能性についても検討。同CEOは、Tether Investmentが、USDTステーブルコイン事業とは別にそのような機会を模索することを強調。融資施設を提供するのは今回が初めてではなく、2019年から2021年の間に、同社は116億ドル(約1.73兆円)の担保付き融資を支払い、ほとんどの取引はビットコインで、一部はイーサリアム(Ethereum/ETH)で担保された。
デジタル決済プロバイダーの利益確保のために資本配分を増やす
テザー・インベストメントは以前、デジタル決済プロバイダーが巨額の利益を保管するための新しい手段を模索する中、資本配分を増やす計画を明らかにしていた。
同社の2024年上半期の純利益は52億ドル(約7,779億円)に達し、新記録を樹立。6月に同CEOは、同社が今後12カ月でさまざまな分野に10億ドル(約1,496億円)以上を投資することを明らかにした。ビットコイン(Bitcoin/BTC)と仮想通貨マイニング事業への投資に加え、ブラックロック・ニューロテック(Blackrock Neurotech)に2億ドル(約299億円)を投じ、分散型AI(人工知能)データセンターを支援し、新興市場をターゲットとするウォレットプロバイダーに150万ドル(約2.2億円)を注入。さらに同社は、持続可能なエネルギー、ビットコインマイニング、データ、人工知能インフラ、P2P(ピアツーピア)通信技術、ニューロテック、教育など、関連産業に利益の一部を再投資していると述べた。
TradFiに進出したテザー
テザーが伝統的な金融に進出したのは、地域が仮想通貨とステーブルコインの規制を標準化する方向に舵(かじ)を切ったためである。
EU(欧州連合)の仮想通貨資産市場規制が発効したことで、ヨーロッパにおけるUSDTの将来に関するうわさが広まった。アルドイノCEO自身も、MiCA(暗号資産市場規制法)がヨーロッパのステーブルコインを危険にさらす可能性があると主張している。
米国では、政策立案者が包括的なステーブルコイン法の制定に向けて動いており、銀行が法定通貨にペッグされたトークンを発行できる可能性がある。リップル(Ripplr)のような新たなプレーヤーたちもステーブルコイン計画を発表しており、USDTの市場支配に挑戦する可能性がある。