カナダ銀行、リテールCBDCから国家決済システムの強化に重点を移す

カナダ銀行はリテールCBDCから国家決済システムの強化に重点を移す

BOC(Bank of Canada:カナダ銀行)は、リテール(小売)CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の開発から、戦略的な転換をし、より広範な決済システムの研究と政策策定に注力すると発表した。

日本語訳:
カナダ銀行は、数年にわたる検討の末、カナダ銀行が規制するデジタル通貨を発行する計画を中止すると発表した。

BOCは、リテールCBDC開発から、より広範な決済システムの研究と政策策定に重点を移した。今決定は、カナダ国民の間でプライバシーに対する重大な懸念が明らかになった2023年のパブリックコンサルテーションを受けてのもので、BOCのティフ・マックレム(Tiff Macklem)中央銀行総裁は以下のように述べている。

カナダ銀行は、将来のデジタル通貨がプライバシーとアクセシビリティーに適切に対応し、金融インフラを強化することを約束します。

BOC公式サイトによると、リテールCBDCに関する作業を段階的に縮小しており、発表ではホールセールCBDCについては触れられていないものの、研究は継続すると強調されており、現在はCBDCの研究から他のより差し迫った問題に焦点を移している。また、BOCのCBDC開発からより広範な金融インフラ強化への転換を探り、CBDCなしでの支払いの規制と迅速化は、カナダ中央銀行にとってより重要である。同銀行は、将来的にデジタルカナダドルのアイデアを再検討する余地を残しているものの、潜在的なデジタル通貨のプライバシーとアクセシビリティーの確保を優先。カナダ銀行は、引き続き世界情勢を監視し、関連する研究を発表し、国の金融インフラの強化への取り組みを強調している

カナダ銀行はプライバシーへの懸念の中で重点を移す

BOCは、2023年のパブリックコンサルテーションで、国民の間でプライバシーへの懸念が広まっていることが浮き彫りになった後、重要な動きとして、リテールCBDC開発を優先順位の低いものにすることを決定している。

2023年のパブリックコンサルテーションの結果によると、カナダ国民はデジタルカナダドルの導入に関してプライバシーについて大きな懸念を抱いている。コンサルテーションでは、CBDCに関連する潜在的な監視とデータセキュリティー問題に対する国民の懸念が明らかにされた。この問題はBOCの現戦略を形作る上で非常に重要であり、CBDC開発への将来の進出においてプライバシーが明確に優先されることを明らかにし、CBDCの検討においてプライバシーとアクセシビリティーを最優先にすることを約束している。

将来の CBDC 開発への影響

当面の焦点は小売 CBDC からシフトしているものの、BOCは将来の可能性を否定しているあけではない。

同機関の将来のアプローチは、パブリックコンサルテーションで特定されたプライバシーとアクセシビリティーの原則に大きく左右され、CBDCに関する今後の反復や調査では、これらの要素を優先し、デジタルカナダドルが国民の信頼とニーズを中心に開発されることも十分にあり得る。同銀行の適応戦略は、カナダの金融セクターにおけるデジタルイノベーションに対する応答性と責任のあるアプローチを示している。

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