時価総額7億ドル規模の値動きでラグプル懸念が拡大
元ニューヨーク市長のエリック・アダムス(Eric Adam)氏が発表した仮想通貨プロジェクト「NYCトークン」が、ローンチ直後に急騰した後、短時間で大きく値を崩した。
政治的影響力とミームコインを結び付けたこの動きは市場の注目を集めた一方、価格変動と流動性を巡る挙動がラグプルを巡る懸念を強めている。
アダムス氏は2026年1月12日(月曜日)、タイムズスクエアで記者会見を開き、NYCトークンの発行を発表した。同氏はこのトークンについて、単なる投機対象ではなく、反ユダヤ主義や反米主義への対抗、若者向けのブロックチェーン教育、恵まれない学生への奨学金支援を目的とした記念的な仮想通貨だと説明している。
NYCトークンの総発行枚数は10億枚とされ、ローンチ時点では約8,000万枚が流通し、将来的には最大3億枚まで増加する計画とされている。ただし、公式サイトにはホワイトペーパーや技術ロードマップ、開発体制に関する詳細な情報は掲載されておらず、早い段階から透明性の不足を指摘する声が上がっていた。
急激な価格変動と流動性操作を巡る指摘
NYCトークンはローンチ直後、アダムス氏の知名度や話題性を背景に買いが集中し、時価総額は一時5億ドル(約791.8億円)を超え、最大で7億ドル(約1,108.5億円)規模に達した。
しかし、この上昇は長く続かず、ローンチから約30分後には価格が急落し、時価総額は一時1億ドル前後まで下落した。
TradingViewより引用
オンチェーンデータが示した不自然な動き
オンチェーン分析によると、価格がピークを付けた直後、NYCトークンのデプロイヤーに関連するウォレットが、約240万ドル(約3.8億円)から250万ドル(約3.95億円)相当のUSDC流動性をプールから引き出していた。
その後、約150万ドル(約2.37億円)分の資金が追加されたものの、差額分の資金の行方は明らかになっていない。この一連の動きが価格急落と重なったことで、市場ではラグプルを疑う声が広がった。NYCトークンの公式アカウントは、流動性の調整は需要急増への対応だったと説明し、資金はプールに戻されたとしている。ただし、政治的影響力を持つ人物が関与するミームコインであり、投資家の警戒感は依然として強い。
NYCトークンを巡る今回の騒動は、社会的意義を掲げるプロジェクトであっても、情報開示の不足や極端な価格変動があれば信頼を損なう可能性があることを浮き彫りにした。今後、資金の動きや運営体制についてどこまで説明がなされるかが、市場の評価を左右することになりそうだ。
























