ワールドコインの虹彩スキャン技術がマレーシアに進出

DBSがTreasury Tokensの試験的立ち上げによって新ソリューションを開拓

虹彩生体認証を用いた仮想通貨&プロジェクトのワールドコイン(Worldcoin)は、戦略的パートナーシップを通じてマレーシアに強力な足場を築きつつあり、シンガポールのDBS銀行はTreasury Tokensの試験的立ち上げによって財務管理における新たなソリューションを開拓していることが明らかになった。

2024年8月13日(火曜日)、シンガポール最大のプライベートバンクであるDBSは、Ant International(アント・インターナショナル、※以下、アントと表記)と共同で開発した財務・流動性管理ソリューションであるDBSトレジャリートークン(DBS Treasury Tokens)を発表。この取り組みにより、アントはDBSの許可されたブロックチェーン上で多通貨の財務業務を管理できるようになり、さまざまな市場で即時決済と流動性管理の強化が可能になるという。

世界の仮想通貨分野におけるアジアの影響力の高まり

これらの先進的な動きは、この地域の他の動きと並び、世界の仮想通貨分野におけるアジアの影響力の高まりを浮き彫りにしている。

アントのWhaleプラットフォームと統合されたDBSブロックチェーンは、24時間365日のグループ内流動性管理を容易にし、ワークフローを合理化し、可視性を向上させることができる。また、同プラットフォームはブロックチェーン技術、暗号化、AI(人工知能)を利用して銀行口座間の資金移動を最適化し、決済時間を数日から数秒に短縮することが可能となっている。アント社のプラットフォーム技術責任者であるケルビン・リー氏は次のように説明している。

私たちはすでに、即時還付サービスや中小企業のクロスボーダー決済などの分野で、Whaleプラットフォームのユースケースの成功を目の当たりにしており、今後も業界パートナーと協力し、ブロックチェーン技術を活用して、よりオープンで包括的なクロスボーダー決済を実現していきます。

DBS Treasury Tokensは、金融イノベーションのためにブロックチェーンを活用するという銀行の広範な戦略の一環であり、この動きは、シンガポール金融管理局のProject Orchid(プロジェクト・オーキッド)とProject Guardian(プロジェクト・ガーディアン)への参加から得た知見に基づいている。

ワールドコインと開発元のTFHがMIMOS BerhadとMyEGとの提携を発表

一方で、8月16日にワールドコインとその開発元であるTFH(ツールズ・フォー・ヒューマニティ)は、マレーシア政府の研究開発部門であるMIMOSおよび大手電子政府サービス・プロバイダーであるMyEGとの提携を発表した。

日本語訳:
最新情報:WorldcoinとMIMOSが提携し、マレーシアに人間性のデジタル証明をもたらす

このパートナーシップは、マレーシアのデジタルインフラに虹彩画像技術を組み込むことを目的としており、これにより、安全かつプライベートな個人認証が可能になり、同国のデジタル認証への取り組みが合理化される。今回の発表では、共同でのオーブ製造や、マレーシアの国家ブロックチェーン・インフラとWorld Chainの統合計画についても概説。TFHはオーブとワールドアプリをサポートする技術的専門知識を提供し、MYEGは技術統合とハードウェアの展開を促進することが期待されている。

ワールドコインが香港やポルトガルを含むいくつかの国で生体認証データ収集に関する精査に直面し続けている中で、このような展開となった。しかし、一部の業界アナリストは、ワールドコインのネイティブトークンであるWLD、特に価格操作と疑わしいトークンのロック解除メカニズムに関する懸念を提起している。