スロベニアがEU初のデジタル国債を発行
中央ヨーロッパの国、スロベニアは、デジタル国債を発行した初のEU(欧州連合)加盟国となった事がわかった。
スロベニア財務省によると、金融大手BNPパリバ(BNP Paribas)が支援するこの債券は、ブロックチェーン技術と従来の金融商品の統合における新たな章を刻むものだ。2024年7月25日(木曜日)、スロベニアは3,000万ユーロ(約50億円)相当の債券を発行。クーポンレートは3.65%で、ECB(European Central Bank:欧州中央銀行)のホールセール決済実験の一環として発行され、11月25日に満期を迎える。
この発行は、分散型台帳技術を活用したBNPパリバのNeobondsプラットフォームを通じて行われた。このプラットフォームは、Cantonブロックチェーン上でDigital AssetのDaml言語を使用し、安全で効率的な取引処理を保証している。なお、決済は、フランス銀行のDL3S相互運用システムによって行われたとのことだ。
この取り組みは、6月に第2フェーズに入ったECBのホールセール中央銀行資金決済実験プログラムの一部で、フランスのDL3S、ドイツ連邦銀行のTrigger Solution、イタリア銀行のTIPS Hash-linkという 3 つの相互運用性ソリューションが含まれている。BNP パリバCIBのフィリップ・マイラール(Philippe Maillard)CEO(最高執行責任者)は、このデジタル債券の発行を可能にした複数の事業ラインにわたる共同作業を強調した。なお、Neobonds以外にも、BNPパリバはイーサリアム(Ethereum)に基づくトークン化プラットフォームAssetFoundryも運営している。
デジタル債券への移行は世界的に勢いを増す
デジタル債券の発行は徐々に金融の主流に加わっており、世界銀行は 2019 年に初のブロックチェーン債券を発行し、同年後半にはPBoC(中国人民銀行)がそれに続きました。
2023 年には香港が 1 億ドルのトークン化されたグリーンボンドを発行し、最近ではパラオが日本のブロックチェーン企業ソラミツと国債プラットフォームで提携しました。
オーストリアとイタリアもこの分野で積極的に活動しています。オーストリアは5月にデジタル債券決済のシミュレーションを実施し、イタリアの国営銀行Cassa Depositi e PrestitiはTIPSハッシュリンクソリューションを使用してPolygonで2,720万ドルのデジタル債券を発行した。