アブダビ規制当局ADGM、バミューダ金融庁とデジタル資産に関する覚書を締結

アブダビ規制当局ADGMがBMAとデジタル資産に関する覚書を締結

ADGM(Abu Dhabi Global Market:アブダビグローバルマーケット)のFSRA(Financial Services Regulatory Authority:金融サービス規制庁)とBMA(Bermuda Monetary Authority:バミューダ金融庁)は、デジタル資産に関するMOU(Memorandum of Understanding:基本合意書)を締結した事が明らかになった。

このMOUは、FSRAとBMA両規制当局間の協力の枠組みを確立し、各管轄区域全体でデジタル資産事業体の設立と効果的な監督を支援するものだ。デジタル資産分野における責任あるイノベーションの促進と、両規制機関間の情報共有も目的としており、BMAのクレイグ・スワン(Craig Swan)CEO(最高経営責任者)は、次のように述べている。

FSRAとの合意は、規制当局間の関係を強化し、イノベーションを促進し、国際協力を通じて能力とリソースを向上させるための極めて重要なステップを表しています。このMoUは、デジタル資産セクターの進化するニーズに対応するために、市場の安定性と専門知識を活用します。知識の交換が拡大し、規制協力が深まり、安全で持続可能な成長環境が促進されることを期待しています。

また、ADGM FSRAの CEO、エマニュエル・ギヴァナキス(Emmanuel Givanakis)氏は次のように述べている。

この覚書の締結は、ADGM FSRAとBMA間の協力と情報共有への当社の取り組みを強調するものです。両管轄区域は、デジタル資産分野における責任あるイノベーションの促進に取り組んでいます。合意を通じて、両管轄区域におけるデジタル資産ビジネスの創出と効果的な監督を支援し、規制の調和、完全性、効率性の向上、そして慎重な業界成長を促進することを目指しています。

今合意は、市場の安定性と専門知識を維持しながらイノベーションを推進するという相互のコミットメントを反映しており、出版物、監督機関、ワーキンググループ、トレーニングなどの分野でのさらなる協力に関する規定も含まれている。

BMAおよびADGMについて

バミューダは、その進歩的な規制枠組みと、フィンテックおよびブロックチェーン分野におけるイノベーションの促進への取り組みにより、デジタル資産分野の重要な拠点となっている。

BMAは、2018 年にDABA(Digital Asset Business Act:デジタル資産ビジネス法)を導入し、包括的な規制を確立。同法律は、デジタル資産ビジネスに明確さとサポートを提供し、市場の完全性と投資家の保護を守りながらイノベーションを促進する、堅牢で明確に定義された規制環境を確保するものだ。

また、ADGMは、アラブ首長国連邦の首都にある国際金融センターで、2015年10月21日に開業しており、中東、アフリカ、南アジアのほか、世界のその他地域の成長経済間の戦略的リンクとして機能する主要な金融センターおよびビジネスハブとしてのアブダビの地位を強化している。ADGM は、中東およびアフリカ地域で最も好まれ、トップランクのIFCの1つとしてランク付けされており、MENA地域(Middle East & North Africa:中東・北アフリカ地域の国々の事)最大のフィンテック ハブに指定されている。