Wasabi Walletが米国のユーザーをブロック
プライバシー保護ビットコインウォレットWasabi Wallet(ワサビウォレット)の開発者であるZkSNACKsは、追って通知があるまで米国からのユーザーが同社の製品とプラットフォームにアクセスできないようにすると発表した事が分かった。
この動きは仮想通貨コミュニティで興味深い議論や憶測を引き起こしており、多くの人がサムライウォレット創設者の逮捕との関連性を議論している。2024年4月27日(土曜日)、zkSNACKsはブログを通じて、米国の国民および居住者がウェブサイトへのアクセスとWasabi Walletの使用を無期限に禁止されることを公表。APIやRPCインターフェースなどの他のサービスや製品も無効にすると明らかにしたうえで、次のように語った。
米国のいくつかの州および関連地域が含まれます。あなたが米国国民または米国居住者の場合、前述のサイトにアクセスしたり、Wasabi Walletをダウンロードしたり、Wasabi Walletコインジョイン機能を使用したりすることはできません。これには、お客様が米国の永住者であるか、米国のパスポートを保有している個人であるかが含まれます。
Wasabi Walletによる米国でのサービス停止は当局による影響によるもの
zkSNACKsはブログ投稿の中で、今決定の主な理由として米国当局による最新発表を強調した。
同社が言及した正確な発表を特定することは困難だが、同社の米国市場からの撤退は、プライバシーを重視したSamourai Wallet(サムライウォレット)の創設者の最近の逮捕によって引き起こされたと考えられている。
当NEXTMONEYの2024年4月26日付特集記事「DOJ米国司法省がビットコインミキサー「サムライウォレット」創設者らを1億ドル超の資金洗浄容疑で起訴」でも報じているように、Samourai Walletのケオンネ・ロドリゲス(Keonne Rodriguez)氏とウィリアム・ロナーガン・ヒル(William Lonergan Hill)CTO(最高技術責任者)は、無許可送金事業を運営し、マネーロンダリング(資金洗浄)を共謀した疑いで米国法執行機関に逮捕された。二人は、シルクロードとヒドラ市場からの資金を含む、1億ドル(約155.6億円)を超える犯罪収益の洗浄をほう助した罪で起訴された。
メタマスク(MetaMask)ウォレットの開発者であるConsensys(コンセンシス)も、ここ数週間でSEC(米国証券取引委員会)からの規制上の監視にさらされている。この金融監視機関は、スワップ機能やステーキング機能など、MetaMask の特定のウォレット機能をターゲットにしているとみられる。
Phoenix Wallet(フェニックスウォレット)も米国市場から撤退
ビットコインエコシステムのプロダクトおよびサービスを開発するスタートアップ企業であるACINQのPhoenix Wallet(フェニックスウォレット)も最近、2024年5月までに米国市場から撤退する計画を明らかにした。
ウォレットプロバイダーは米国のユーザーに対し、2023年5月3日までに資産を削除しウォレットを空にするよう指示。ACINQはXにて次のようにツイートしている。
Recent announcements from US authorities cast a doubt on whether self-custodial wallet providers, Lightning service providers, or even Lightning nodes could be considered Money Services Businesses and be regulated as such.
— ACINQ (@acinq_co) April 26, 2024
米国当局からの最近の発表では、自己管理型ウォレットプロバイダー、ライトニングサービスプロバイダー、さらにはライトニングノードがマネーサービス事業とみなされ、そのように規制されるかどうかについて疑問が投げかけられています。
これらのセルフカストディ仮想通貨ウォレットとプロジェクトの米国からの流出は、仮想通貨業界とプライバシー強化技術を取り巻く規制上の課題と不安定性をさらに浮き彫りにしている。