インドネシア規制当局Bappebtiは二重課税の撤廃を求める
インドネシアの仮想通貨規制当局であるBappebti(商品先物取引規制庁)は、政府に対して仮想通貨税を再検討するよう要請した事が分かった。
インドネシアは現在、仮想通貨を商品として位置付けている事から、VAT(付加価値税)と所得税の二重課税対象となっているが、市場の成長を妨げる可能性があるとして批判にさらされているのが現状だ。現地メディアの報道によると、Bappebti当局者は財務大臣に対し、デジタル資産に対する現在の税率を再考するよう要請。現在、インドネシアでは、仮想通貨は商品として扱われており、各取引に対して政府が課す付加価値税0.11%と所得税0.1%が課せられている。現在の課税の枠組みは、同国の広範な金融サービス規制当局であるOJK(インドネシア金融サービス庁)が仮想通貨業界を監督することによって変更されることが予想されている。Bappebti市場開発局長のティルタ・カルマ・センジャヤ(Tirta Karma Senjaya)氏は次のように語っている。
2025年1月までに仮想通貨が金融分野に参入すると予想されているため、私たちは税務局長に対しこれらの税金を見直すよう要請します。これらの規則が施行されてから1年以上が経過しており、税金は通常毎年検査されます。将来、仮想通貨は金融セクターの一部となるため、これらの税金を評価するという税務総局のコミットメントを期待しています
同氏はさらに、仮想通貨およびデジタル資産市場は初期段階にあり、国家収入に大きく貢献するには成長の余地が必要だと述べている。
既存の税金が業界を息苦しくさせている
仮想通貨業界は、既存の税金が業界の息苦しさを懸念し、ユーザーやサービスプロバイダーにとって負担となっていると繰り返し述べている。
現地の仮想通貨取引所は、2022年から2023年の取引量が大幅に減少するのは高額な税金のせいだとし、ユーザーが外国取引所に流れると主張。現在の仮想通貨規制当局は財務省にどのように課税枠組みを改定してもらいたいのかについては詳細を明らかにしていないが、VATを株式の扱いと同等にするために撤廃されることを期待している可能性が高い。
規制の変化と税制の未来
2025年1月にBappebtiからOJKに規制監督が移管される予定であり、インドネシアの仮想通貨課税の将来にさらに影響を与えることが予想されている。
この移行は、より包括的な規制枠組みへの道を開く可能性があり、潜在的には現在の税制構造への調整につながる可能性がある。政府はこの分野の可能性を認めているものの、潜在的リスクについては引き続き警戒。インドネシア国内で300を超える違法な仮想通貨取引所が最近発見されたことは、仮想通貨市場を効果的に規制し、課税するという課題を浮き彫りにしている。また、これらの規制されていないプラットフォームは、規制当局の権限を超えて機能するため、税制の完全性に対して重大な脅威をもたらすとして政府は警戒感を強めている。
インドネシア政府は、金融の安定を維持し、公式通貨であるルピアの完全性を保護しつつ、仮想通貨分野の責任ある成長を促進することにコミットしているとみられている。同政府は、バリ島の観光客に対する仮想通貨決済の禁止を実施しており、この慎重なアプローチを例示。今後の規制や税制の変更の正確な詳細は今のところ不明だが、インドネシアが仮想通貨を取り巻く状況に積極的に対処していることは明らかであり、政府がイノベーションの促進と金融システム保護とのバランスを取ることに努めていることから、今後数カ月はさらなる進展が見られるだろう。