クレイグ・ライト、COPAビットコイン裁判で「産業偽造」の主張に直面

クレイグ・ライト氏がビットコイン裁判で「産業偽造」の主張に直面

ビットコイン(Bitcoin/BTC)の生みの親を自称するクレイグ・ライト(Craig Wright)氏は、サトシ・ナカモト(Satoshi Nakamoto)のペンネームの主張に対して、(※1)(Crypto Open Patent Alliance:仮想通貨関連特許団体)からの産業偽造の主張に直面していることが明らかになった。

(※1)COPAとは…
2021年に誕生した団体で、仮想通貨技術採用と発展を奨励し、成長と革新の障害となる特許を取り除くために結成された非営利団体のこと。同じ考えを持つ人々や企業によって構成されており、現在、手仮想通貨企業やMeta社などむ28社が加盟している。

ロンドン高等法院でエドワード・ジェームズ・メラー(Edward James Mellor)判事の下で行われたこの裁判は、ライト氏の主張に異議を唱えるだけでなく、彼の行動が仮想通貨コミュニティに与えるより広範な影響にも対処しようとしている。COPAはMetaやBlockのような技術大手の支援を受けており、ライト氏が広範な偽造を通じて精巧な偽りの物語を広めていると非難している。

多くの人がライト氏の主張に懐疑的

法的手続きは、両当事者による最初の弁論から始まり、クレイグ・ライト氏側の代理人は6日から詳細な弁護ができる。

この裁判は、仮想通貨コミュニティ内で物議を醸しているライト氏の訴訟の歴史を考えると、大きな注目を集めており、実際、多くの人々は、同氏がビットコイン誕生の背後にいる謎の人物、サトシ・ナカモトであると主張していることに懐疑的である。

COPA弁護団は、同氏が“サトシ・ナカモト”であると主張することに異議を唱えるブロガーを非難。同氏がインスパイアされたブロックチェーンであるBSV(Bitcoin Satoshi’s Vision)に多額の投資をしている技術億万長者のカルヴィン・エア(Calvin Ayre)氏が支援しているとみられている。COPAは、ライト氏の行動とナカモト・アイデンティティに対する主張は、彼らが産業的と表現する規模での偽造文書の作成を含む詐欺行為によって支えられていると主張している。

裁判結果が広範な仮想通貨エコシステムに重大な影響を与える

COPAによる主張の中心は、同氏がビットコインの作成者であるという主張を裏付けるために文書を操作したことを示唆する証拠であり、論点の一つは、同氏がビットコインホワイトペーパー(Bitcoin whitepaper)のオリジナルのLaTeXファイルを所有していると主張している。

というのも、2023年12月の時点で同氏がこれらの文書を編集していた証拠があり、さらに、同時期の彼のインターネット検索履歴には、ビットコインホワイトペーパーがLaTeXで書かれたものなのかについて調べた履歴があり、同氏の主張に対して信憑性に疑問が投げかけられている。

一方で、同氏弁護団は、金融と暗号学の経歴を強調し、本物のサトシ・ナカモトであるために必要な知識と哲学的展望を持っていると主張することで、これらの非難に反論している。また、他にサトシ・ナカモトであると主張する信頼できる人物はいないと指摘。これが同氏の立場を支持していることを示唆しているとのことだ。

この裁判はネット上で大きな反響を呼び、仮想通貨コミュニティーのオブザーバーたちはその動向を注視。ライト氏の批評家たちは、彼の法的措置が以前から対象としてきた人々を含め、彼のチームが提示した証拠について懐疑的な見方を示している。アナリストやコメンテーターもまた、裁判の結果がライト氏の将来やより広範な仮想通貨エコシステムに与える重大な影響に言及している。