ドイツ当局、史上最大のビットコイン押収
ドイツ当局は21億7,000万ドルの詐欺に関連して2人を逮捕し、これまでで最大規模のビットコイン(Bitcoin/BTC)押収をした事が発表された。
ザクセン州刑事警察署はライプツィヒ第二税務署と協力し、大規模なビットコイン押収を実施。公式発表によると、ドイツ警察により合計5万BTCが押収された。現在の市場価値に基づくと、保有資産全体は約21億7,000万ドル(約3,206億円)の価値だ。これは当局がこれまでに実施したビットコインの押収量としては最大規模で、ドイツ警察は発表の中で、次のように述べている。
これはドイツ連邦共和国の法執行機関によるこれまでで最も広範なビットコインのセキュリティー保護である。
押収されたビットコインは海賊版ウェブサイトに由来
今回のビットコイン差し押さえは、2023年に著作権法に違反した海賊版ウェブサイトの運営の一部で得た保有物に由来するものだ。
今回の摘発で、40歳のドイツ人と37歳のポーランド人2人の男性が関与していたことが発覚しており、彼らはビジネスから得た収益でビットコインを購入していたとのこと。容疑者の1人が自発的に略奪品をドイツの警察組織であるBKA(連邦刑事警察署)に移送したことを受け、ドイツ警察はビットコインを押収。二人は他の形態の商業マネーロンダリング(資金洗浄)にも関与していた疑いがあるが、捜査がまだ進行中であるため、これまでのところ、この点に関して正式な罪は分かっていない。
米国政府は7万BTC以上を没収
少し前に同様のビットコイン差し押さえが米国でも起きており、2022年11月、DOJ(米国司法省)は33億6,000万ドル(約4,964億円)に相当するビットコインの押収を報告している。
この巨額の保有物は、10年以上前にシルクロードのダークウェブマーケットプレイスで5万BTC以上のビットコインを不法に入手した男から押収されものだ。2023年12月までに、米国政府がシルクロードから押収したビットコインの総額は7万BTCに上っており、いつビットコインが売却されるのか国民の間で憶測が広がっている。この押収BTCを含め、仮想通貨およびブロックチェーン分析を手掛けるArkham Intelligence(アーカム・インテリジェンス)調査によると、米国政府は現在95億ドル(約1.4兆円)に相当するビットコインを保有している。
これらの出来事はすべて、悪者がいかにビットコインやその他の仮想通貨を利用して違法行為を働き、脱税しているかを浮き彫りにしている。