ロシアが2024年に包括的な仮想通貨法を導入へ
ロシアは2024年までに仮想通貨法案の可決を目指しており、国境を越えた仮想通貨決済システムの導入を期待している事が明らかになった。
ロシアの地元メディアIzvestia(イズベスチヤ)とのインタビューで、国家下院金融市場委員会のアナトリー・アクサコフ(Anatoly Aksakov)委員長は、2024年下半期までに仮想通貨による国境を越えた取引を合法化する計画を公表。この構想はSPB Exchange(サンクトペテルブルク取引所)を活用することを目的としており、現在議論が進行中とのことだ。
同委員長は、2025年から2026年にかけて参加国間の相互決済のためにBRICS諸国(※1)間でデジタル通貨の使用を実験する意向だ。また、ロシア政府は2024年に仮想通貨規制を可決する予定であると報告書の中で言及されている。
B=ブラジル、R=ロシア、I=インド、C=中国、S=南アフリカからなる世界経済をリードする新興国5カ国の枠組みを指しており、当初は南アフリカを除く4カ国であった。
さらに同委員長は、国際決済に仮想通貨を使用することの重要性を認めており、同委員長は、3月の第1読会と4月の第2読会で法案可決に向けた取り組みを強調していると語っている。
当NEXTMONEYの2023年12月18日付特集記事「ロシアが天然ガスなどの仮想通貨の輸出大規模計画を発表」でも報じているように、当初、仮想通貨法案は2023年11月に審議される予定であった。しかし、政府、財務省、経済省、中央銀行、法執行機関などの主要機関の調整が困難であったことから、遅れている。同委員長は、ロシアの仮想通貨市場の規模が大きいため緊急性が高いことを強調し、2024年1月の会合での解決を期待しているとみられている。
ロシアにおける仮想通貨課税
アクサコフ委員長は規制範囲についての質問に答え、マイニング、仮想通貨流通、国境を越えた支払い、課税を規制する計画を確認した。
ここで注目したいのは、同提案には、仮想通貨の違法使用に対する罰則の導入が含まれている点である。課税については、マイナーに対して20%の所得税を課すという財務省の提案が検討されている。同委員長は、この問題はまだ議論の余地があり、利益ではなく所得に課税する可能性があると主張している。なお、徴収された税金は国家予算に貢献することが期待されている。
国境を越えた取引のための仮想通貨
仮想通貨業界の活性化を図る一環として、国家院はマイナーが輸出商品として仮想通貨を販売できるようにするという財務省の提案への支持を表明した。
ロシアの仮想通貨法整備の進展により、2024年後半には企業が仮想通貨を使った国境を越えた取引を合法的に行えるようになることが予想されている。同委員長は市場の進化する性質を認識しており、法案について楽観的である。制裁に直面しているロシア企業はすでに国際決済での仮想通貨の利用を増やし始めており、今包括的な法律は、デジタル資産分野の世界的な傾向に合わせて、ロシアにおける仮想通貨の規制枠組みの確立に向けた重要な一歩を示唆している。