シンガポールは専任特別部隊で仮想通貨犯罪とテクノロジー犯罪と闘う

シンガポールが仮想通貨とテクノロジー犯罪に対処する専任特別部隊を発足

世界がテクノロジーの進歩を進め、さまざまな国々が犯罪抑制の最前線に浮上しつつある中、シンガポールは、世界中で急増する仮想通貨関連犯罪との闘いに対し、専任特別部隊で仮想通貨犯罪とテクノロジー犯罪との闘っていくことが新たに判明した。

仮想通貨とテクノロジー犯罪は、搾取のためにテクノロジーの進歩の成長を妨げるが、これに対抗するためにシンガポールは、2 つの専門部隊を設立した。各対策本部には経験豊富な検察官20人からなるチームが編成され、世界の当局と協力して、これらの増大する脅威に対処していくとのことだ。

新クリプトタスクフォースとは何か

これら2つのタスクフォースのうち1つは仮想通貨に焦点を当てており、主な目的に、違法デジタル資産の効率的な追跡と押収を行う執行機関を支援することに目標を定めている。

シンガポールによる今回の動きは、仮想通貨の匿名性と国境を超えた特徴を悪用する仮想通貨犯罪者やサイバー犯罪者に対するシンガポールの厳しい姿勢を反映している。一方、第2対策本部はテクノロジーを利用した犯罪に照準を合わせるとのことだ。シンガポールは、コンピューターやその他のデバイスが犯罪活動において極めて重要な役割を果たしていると認識したうえでの動きである。

仮想通貨犯罪抑止に向けた国際協力へ

司法長官会議所の副首席検察官であるワン・ショウレン(Wang Shouren)氏は、国境を越えた協力の重要性について、今日の犯罪者は国境を越えて活動しており、法執行機関間の一定レベルの国際協力が必要であることを強調した。

このような動きはシンガポールだけではない。世界中の国々も仮想通貨犯罪との戦いに参加しており、例えば…、インドでは現在、CIAT(仮想通貨インテリジェンスおよび分析ツール)の開発過程にあり、仮想通貨詐欺や盗難事件と戦うための重要なツールとなる事が予想されている。仮想通貨関連犯罪の抑制に対するこのような献身的な姿勢は英国でも示されており、仮想通貨犯罪に対処するため、NCA(国家犯罪庁)内に専門部隊を立ち上げている。さらに英国NCAは、2023年初めにデジタル資産チームに上級職を公募し、進化し複雑化し続ける仮想通貨関連犯罪に対抗するための専門部隊の必要性が高まっていることを強化している。

シンガポールを震撼させた詐欺

2023年8月、シンガポールは大規模なマネーロンダリングス(資金洗浄)キャンダルに衝撃を受けた。

7億4,000万ドル(約1,108億円)近くの資金が洗浄され、国内外の主要銀行が関与。10人のグループが起訴されている。なお、告発された人物は、無許可の貸金業と違法賭博事業から得た多額の資金を隠し持っていることが判明している。