英国FCAが新デジタル証券サンドボックスの立ち上げを計画

FCAが新デジタル証券サンドボックスの立ち上げを計画

英国FCA(金融行動監視機構)は、デジタル証券を管理するための一定のルールで構成される2番目のDSS(Digital Securities Sandbox:デジタル証券サンドボックス)を立ち上げ計画を発表したことが分かった。

FCAの資本市場責任者ヘレン・ボイド(Helen Boyd)氏によると、英国財務省は2024年第1四半期にDSSをリリースする予定という。この開発は、FCAが2023年8月1日に英国初のDSSを恒久的に展開してから約2カ月後の動きである。なお、最初のサンドボックスは、イノベーションと成長を促進し、テクノロジー系スタートアップの国際競争力を促進するように設計されたデータセットと洞察で構成されていた。

英国財務省、デジタル証券の導入を促進するためにサンドボックスを導入

10月3日(火曜日)、CCDataデジタル資産サミット中に同氏は、英国王立財務省が2024年第1四半期末までに新たにサンドボックスを立ち上げると発表(FCAは独立した金融監視機関ではあるが、依然として英国財務省の監督下にある)。

CCData「Livestream: CCData Digital Asset Summit, CCDAS 2023(日本語訳:ライブストリーム: CCData デジタル資産サミット、CCDAS 2023)」より動画引用

※動画場全編英語で放映されており、日本語訳が必要な場合は、画面右下に表示されている「字幕」アイコンをクリック。次に、右隣に表示されている「設定」アイコンをクリックし、表示されたメニューの中から、「字幕」⇒「自動翻訳」⇒「日本語」の順に設定することで、大まかな日本語訳が表示されます。

さらに、今後登場するDSS(Digital Securities Sandbox:デジタル証券サンドボックス)は、金融市場全体でデジタル証券のテストと導入を可能にするという点で、既存のデジタルサンドボックスとは異なることを明らかにした。発表によると、企業はデジタル資産技術を利用して金融市場インフラを構築できるようになるとのことだ。さらに、これらの金融市場インフラストラクチャーは、デジタル証券関連のアクティビティを実行できる。ただし、その結果として得られる金融商品は、一時的に変更された法律および規制の枠組みの対象となるという。

今後のサンドボックスには、デジタル証券を使用してイノベーションを促進する新しいルールが導入され、2023 年金融サービスおよび市場法に基づいて展開される初の金融市場インフラストラクチャーサンドボックスとなる予定だ。また、同氏は英国の主要仮想通貨規制当局としてのFCAの将来について詳述。同氏は、政府機関がデジタル資産業界に対して保持する権限の割合に関する財務省の決議を待っていると述べている。FCAは以前、DSSに関する協議を開始し、回答者にDSSの使用に関心を示すよう呼びかけていた。

英国政府は金融サービス関連の詐欺と詐欺に取り組む

間もなく開始されるDSSは、英国における仮想通貨資産に対する厳しい監視の中で実施され、英国財務省はデジタル資産のコールドコールの全面禁止を検討している。

同国財務省は8月、金融サービス関連のコールドコールの禁止による草の根の影響を評価するための諮問文書を発表。禁止案のコストを含め、企業への影響をすべて評価するための証拠を求めた。

弱い立場の消費者をターゲットにした金融商品に対する詐欺関連の勧誘電話の発生率が増加しており、憂慮すべき事態となっている。国家犯罪庁の推計によると、英国は詐欺により年間87億ドル(約1.3兆円)の損失を被っていることが明らかになっている8月に発表された協議文書の中で、アンドリュー・グリフィス(Andrew Griffith)財務省経済長官は、金融商品のコールドコール増加に眉をひそめ、政府はそのようなことを容認しないだろうと指摘した。