アルゼンチンの石油会社がエネルギー浪費削減のため仮想通貨をマイニング

アルゼンチンの石油会社がガス廃棄物を仮想通貨マイニングに転換計画を発表

アルゼンチンを拠点とする石油会社テックペトロール(Tecpetrol)がエネルギー浪費削減を視野に、ガス廃棄物を仮想通貨マイニング用のエネルギーに変換し、マイニング利用する計画を発表したことが分かった。

仮想通貨マイニングは環境への影響で多くの悪い評判を受けているが、テックペトロールがその構図をひっくり返そうとしている。ブエノスアイレスに本拠を構える同社は、余剰ガスを仮想通貨マイニングに利用する計画を発表。この決定により、ガス利用が最適化され、エネルギー生産がより効率化されることが期待されているものの、これらの取り組みは排出量の削減につながるのか疑問視されている。

テクペトロールの仮想通貨マイニングにおける先駆的戦略

2023年9月24日(日曜日)、現地メディアは同社がアルゼンチン・パタゴニアのヴァカ・ムエルタ北部のロス・トルドス2エステ地域に初のガス燃料仮想通貨マイニング施設を立ち上げる意向を報じた。

この取り組みにより、廃棄されるはずのガスを利用することで同社の原油生産プロジェクトが強化されることが期待されており、同社のリカルド・マルカス(Ricardo Markous)CEO(最高経営責任者)は今回の動きについて次のように説明した。

環境中にガスを放出することができないことを考慮して、私たちは仮想通貨マイニング事業を実施することを選択しました。

同社は、10月下旬から11月上旬の間に仮想通貨マイニング業務を開始することを目標にしており、米国の経験豊富な企業と協力してエネルギーの無駄を削減し、追加の利益を生み出すことを目指しているとのこと。

仮想通貨マイニングは温室効果ガスの削減に貢献できるのか

仮想通貨マイニング、特にビットコイン(Bitcoin)マイニングは、環境への影響により大きな注目を集めている。

具体的には、このプロセスでは強力なコンピューターを使用して複雑な数学的問題を解決する必要があり、大量の電力を消費する。それでも、最新研究では、仮想通貨マイニングが炭素排出量の削減と両立できる可能性があることが示唆されている。例えば…、IRM(リスク管理研究所)による最近の研究では、ビットコインのマイニングにより、2030年までに世界の温室効果ガス排出量が8%削減される可能性があることが予想されている。この仮説的な削減は、世界の廃棄されたメタン排出量をビットコインのマイニングに使用することで得られ、それらをより害の少ないCO2に変換するという。

同社の仮想通貨マイニングへの進出は、伝統的な産業と仮想通貨の世界との交流がますます進んでいることを意味しており、これは、従来の企業が仮想通貨分野での機会をますます認識していることを示している。