ジャック・ドーシー氏のBtrustがカルア(Qala)買収でアフリカのビットコインエンジニアの育成を目指す

Btrustがアフリカのビットコイン人材会社Qalaを買収

ジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏が音楽プロデューサーでラッパーのジェイ・Z(Jay-Z)氏と共同で立ち上げたビットコイン開発支援ファンドBtrust(※非営利団体)によるカルア(Qala)の買収で、アフリカのビットコインエンジニアの育成を目指している事が分かった。

今回の買収によってBトラストが人材プールをどのように再構築していくのか、そしてそれが仮想通貨の将来にとって何を意味するのかに今、注目が集まっている。仮想通貨サポーターたちは、銀行口座を持たない人々に銀行サービスを提供するという業界の約束を長い間宣伝してきた。そして現在、ドーシー氏が支援するBtrust社は、Qala買収により、この問題で最も影響を受ける分野の人材プールを活用することを目指している。

同氏とジェイ・Z 氏の支援を受けて設立されたBtrustは、分散型ビットコインソフトウェア開発の提唱者である。2023年9月1日に買収が完了した後、QalaはBtrustビルダープログラム(Btrust Builders Programme)に移行し、グローバル・サウスからのビットコイン・オープンソース・エンジニアリングを促進するという共通の目標を反映するとのこと。

Qalaは2021年の設立以来、アフリカのソフトウェア開発者と国際的なビットコイン企業を結びつけることに貢献してきた企業だ。その影響力はアフリカの42カ国以上に広がり、そのプログラムにより Galoy、SphinxChat、Bitnob などの企業への就職が容易になった。同社の共同創設者兼ディレクターであるバーナード・パラ(Bernard Parah)氏は、合併について洞察を提供し、アフリカの特定の課題に対処する上でビットコインの理解と応用が強化される可能性を強調した。同社のフェミ・ロンゲ(Femi Longe)氏とステファニー・ティットコム(Stephanie Titcombe)氏はBtrustに加わり、その専門知識をBtrust Buildersプログラムに貢献していく予定だ。

アフリカのビットコインとブロックチェーン

アフリカは、仮想通貨とブロックチェーン技術の世界を急速に受け入れており、この大陸特有の社会経済的課題により、この大陸は採用の肥沃(ひよく)な土壌となっている。

ブロックチェーンの分析などを手掛けるチェイナリシス(Chainalysis)によると、アフリカは規模が最も小さいにもかかわらず、世界で最も急速に成長している仮想通貨市場の一つとのこと。同大陸における仮想通貨取引は、2021年半ばには月間200億ドル(約2.9兆円)に達している。

ケニア、ナイジェリア、南アフリカなどの国は、ユーザー数についてこの地域をリードしている。多くのアフリカ人は商業決済に仮想通貨を使用しているが、これらのデジタル資産は固有の変動性があるため、価値の保存としては理想的ではない。BtrustとQalaの協力は、アフリカにおけるグローバル・サウスの仮想通貨における可能性を示唆している。