英国FCAによる仮想通貨企業運営承認は狭き門
2020年1月以降、291社の仮想通貨企業が英国の主要金融規制当局であるFCA(金融行動監視機構)に国内での事業運営の承認を求めているが、そのうち承認を取得できたのは13%のみと狭き門となっている事が分かった。
2023年8月11日(金曜日)、FCAは仮想通貨ビジネスの登録に関する情報提供の要請に対応。この申請は 4 つの質問で構成されているもので、FCA は291件の申請のうち承認されたのは38 件のみであることを明らかにした。また、155社が、必要な基準をすべて満たしたら再申請するようFCA から奨励され、自主的に申請を取り下げたという。FCAは、企業は特定情報を提供する必要があり、これを怠った企業は申請が拒否されることになると強調した。
英国での運営には事前登録または一時営業ステータス取得が大前提
英国では、仮想通貨活動に関与する企業はFCAに登録するか、一時的な営業ステータスを取得しなければならない。
注目したいのは、FCAはかつてバイナンス・マーケット・リミテッドに対し、国内での事業を停止するよう指示し、地元の仮想通貨ATM運営者に警告を発していた点である。FCA 登録仮想通貨プロバイダーの現在の名簿には、Skrill、eToro、Gemini などの42の事業体が含まれている。
FCAは7月、英国のすべての仮想通貨企業に対し、2023年10月までにマーケティング戦略を金融規制と整合させるよう注意喚起。これに先立ちFCAは、仮想通貨企業に対してデジタル資産への投資に伴うリスクについて顧客に慎重に検討するための「クーリングオフ期間」を与えるマーケティングアプローチを採用するよう勧告していた。
英国政府はリスクのない環境を確立を目指す
英国政府の目標は、デジタル資産に関心のある個人にとってリスクのない環境を確立することである。
データによると、上位5 つの市場の中で、英国は最も急成長している仮想通貨業界を誇っている。収益は前年比125%と大幅に増加しており、2023年には18億9,000万ドル(約2,750億円)に達している。仮想通貨業界におけるこの大幅な成長を観察し、2023年金融サービス市場法案が6月28日に英国で王室承認を取得。この法案は、仮想通貨とステーブルコインを含む金融サービス規制に対する政府の監督を許可し、デジタル通貨の監視・管理を強化。この法案の目的は、金融サービスを利用する全国の個人を保護し、英国の国民と地域社会志向の目標に沿ったテクノロジーに精通した環境に優しい産業を推進することにある。