トレーダー不足による影響を受けて第2四半期のNFT市場は縮小

NFT市場が大幅縮小

最新のダップレーダー(DappRadar)の最新レポートよると、NFT(非代替性トークン)市場は苦戦が続いており、取引量は第1四半期から第2四半期にかけて38%減少したほか、売上も9.2%減少した事が分かった。

取引高とは、特定の期間内に交換された通貨(※通常はドル)の総額を指す。より明白な指標である売上は、NFTの購入または取引の数を指し、両方の数字を合わせると、市場の状態をより正確に把握できる。そしてこの場合、ほぼすべての指標を見ても、NFT市場はまだ暴落前の栄光を取り戻していない。

前例のない低水準のNFTトレーダー数

ブロックチェーンデータ分析を提供するDune Analyticsの最新データによると、NFT市場における買い手と売り手の数は数百人前半にまで減少しており、現在も減少し続けている。

Duneの最新調査最後の1週間では、買い手は366人、売り手は441人となっている。2022年6月の最終週には、売り手が31,353人、買い手が28,756人となっていたことから、大幅な減少は数字からも一目瞭然である。トレーダーの急激な減少は2023年の初めに突然起こり、1週間以内に半分以下に減少。2023年1月の第2週までに、売り手は2,385人、買い手は2,388人にまで減少している。

NFTを取引する独自のイーサリアム(Ethereum)ウォレットも同様の流れを伝えており、イーサリアムがNFTの支配的なチェーンであるため、当然の結果と言える。NFTマーケットプレイスの新たなトップにとって代わると期待されているBlur(ブラー)も、今四半期は減速がみられており、取引高は34%減少。長期間支配的な市場であったOpenSeaはより大きな打撃を受けており、取引高は56%以上減少しているという。

ビットコイン・オーディナル(BitcoinOrdinal)は数少ない勝者

ダップレーダーの最新レポートは、ビットコイン・オーディナル(BitcoinOrdinal NFT)(※1)がこの四半期の勝者の1つであると指摘している。

(※1)ビットコイン・オーディナル(BitcoinOrdinal)とは…
(別名:デジタル アーティファクト)は、アートなどのデジタルコンテンツをビットコインブロックチェーンに書き込む方法の事。

ビットコインNFT取引量は急増しており、第1四半期の718万ドル(約10億円)から第2四半期には2億1,070万ドル(約303億円)に達しており、この四半期で2,834%もの増加となっている。同プラットフォームでは、過去最高の取引数も急増し、554,215件に達し、トレーダーは合計150,969人に達した。ビットコイン・オーディナルの登場は、ここ数年でのビットコインネットワークにおける最も重要な革新の1つで、2021年11月14日の Taprootアップグレードにより可能になっている。しかし、いわゆる「ビットコインNFT」の可能性についてのコミュニティの盛り上がりのおかげで、その人気は今年になって初めて高まり、2023年5月末までに、序列碑文の数は1,000万件を超え、そのほとんどが前月に作成されている。