IMFがグローバルCBDCプラットフォーム計画を明らかに
アクセスの容易な世界通貨システムを構築する試みとして、IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)は、国境を越えた支払いのためのグローバルCBDC プラットフォームの計画を明らかにした事が明らかになった。
IMFとアル・マグリブ銀行(Bank Al-Maghrib:モロッコ銀行)は、ハイレベル政策ラウンドテーブルでの講演で、デジタル資産ユーザー間の世界的な決済インフラを強化するために、グローバルCBDC(中央銀行発行デジタル通貨)への戦略的移行を呼びかけた。
世界的CBDCへの移行
IMFのクリスタリナ・ゲオルギエワ(Kristalina Georgieva)専務理事は6月19日(月曜日)、IMFのプラットフォームは国家間のCBDC取引を可能にすることを目的と語っている。
同専務理事はモロッコのラバトで開催された会議でアフリカの中央銀行に対し、CBDCは断片的な国家提案であるべきではなく、より効率的で公平な取引をするには、国をつなぐ相互運用システムが必要だと語っている。また、IMFの金融カウンセラー兼金融資本市場局長のトビアス・エイドリアン(Tobias Adrian)氏は、テクノロジーはお金が進化する機会を提供していると強調。同氏はさらに、仮想通貨やトークン、プログラマビリティ(※1)などの技術が貨幣システムを改善するために世界的に利用されており、さらなる開発・改良されるべきであると述べている。同氏は、XCプラットフォームと呼ばれる、国境を越えた国内外での決済および契約プラットフォームの青写真を共有し、次のように語っている。
新しいクラスのプラットフォームに関する当社の青写真は、国内金融市場だけでなく、国境を越えた決済においても、より優れた相互運用性、効率性、安全性を確保するものです。
資金や証券が流通する際の振舞いをプログラム言語を使用して制御し、自動化できる性質の事。
グローバルCBDC プラットフォームの内容
提案されているグローバルCBDCプラットフォームは、決済、プログラミング、情報管理の3層で構成されている。
彼らは中央銀行準備金と決済することで安全性を確保し、契約に革新性と安全性をもたらし、経済摩擦を克服するために情報の流れを管理。これらのプラットフォームは法定通貨と「レガシーシステム(※過去の技術や仕組みで構築されているシステム)」間の相互運用性を提供し、透明性のあるルールベースのガバナンスに基づいているとのこと。さまざまな通貨での金銭取引を決済するために作られる同プラットフォームは、国際決済に伴う遅延や高額な手数料の削減、金融契約のプログラミングや情報の効果的な管理に重点を置いている。
同氏は、これらのプラットフォームの主な利点は、中央銀行の準備金というかなり安全な通貨を使用して取引が決済されるため、安全性が向上することであると強調。このプラットフォームは多通貨システムを可能にし、中央銀行が準備金の分配の管理を維持しながら、参加者が選択した通貨を使用できるようにすると述べたうえで、次のように語っている。
国境を越えた支払いのコスト、遅さ、不透明さはインフラが限られていることに起因しています。世界金融を正しく行うためには、世界的な支払いを正しく行うために私たちが団結する必要があります。