仮想通貨取引所ロビンフッド(Robinhood)複数の仮想通貨の上場廃止を検討
SEC(米国証券取引委員会)による最新の規制取り締まりにより、大手取引所が仮想通貨の提供を検討しているなか、人気仮想通貨取引所ロビンフッド(Robinhood)が、複数の仮想通貨の上場廃止を検討している事が分かった。
2023年6月6日(火曜日)、ロビンフッドの法務責任者ダン・ギャラガー(Dan Gallagher)氏は、仮想通貨の提供に対する同プラットフォームの立場について米国議会に報告。この発言は、大手仮想通貨取引所に対するSECの訴訟を受けて行われている。
現在18種類のトークンを上場している同取引所は、SECが未登録証券に分類した仮想通貨の上場廃止を検討。これらには、当NEXTMONEYの6月7日付け特集記事「SECがコインベース(Coinbase)を提訴:SECは複数コインが有価証券と主張」でも報じたようにソラナ(Solana/SOL)、カルダノ・エイダコイン(Caldano/ADA)、ポリゴン(Polygon/MATIC)などだ。
ロビンフッド上場廃止に圧力か
SECは6月5日(月曜日)、2大仮想通貨取引所であるバイナンス(Binance)とコインベース(Coinbase)に対する取り締まりを開始した。
バイナンスに対する訴訟では、バイナンスのプラットフォーム上の特定のトークンが有価証券として言及されており、以下の内容となっている。
・バイナンスコイン(BinanceCoin/BNB)
・バイナンスUSドル(BinanceUSD/BUSD)
・ソラナ(Solana/SOL)
・カルダノ(Cardano/ADA)
・ポリゴン(Polygon/MATIC)
・ファイルコイン(Filecoin/FIL)
・コスモス(Cosmos/ATOM)
・サンドボックス(Sandbox/SAND)
・ディセントラランド(Decentraland/MANA)
・アルゴランド(Algorand/ALGO)
・アクシーインフィニティ(Axie Infinity/AXS)
・コティ(COTI/COTI)
同取引所は証券取引を許可するブローカーディーラーライセンスを保有しているものの、ギャラガー氏は、このライセンスによってSECの提出書類に記載されている仮想通貨を安全に取引できるとは考えていない。現時点で上場廃止となった仮想通貨は現時点でまだないが、同取引所がこれらのトークンに関して法的措置に直面する可能性があると判断した場合、それらは削除される可能性がある。
ロビンフッドにとって仮想通貨の上場廃止が意味するもの
仮想通貨はロビンフッドの収益の重要な部分を占めており、2023年第1四半期に、ロビンフッドは総純収益が4億4,100万ドル(約616.5億円)であると報告している。
同社の仮想通貨収入はその10%未満の3,800万ドル(約53億円)であった。同社のリストにあるトークンのすべてがSEC訴訟の対象になっているわけではないものの、米国顧客のみにサービスを提供しているため、地理的多様化に関しては選択肢がほとんどない。ロビンフッドの収益の大部分は、注文の流れに対する支払いによるもので、これは、顧客が取引をすると、取引を実行する権利をマーケットメーカーに販売することを意味する。マーケットメーカーはこれに対してロビンフッドに1株当たり数セントという少額の手数料を支払っている。
ロビンフッドは、世界最大の株式および仮想通貨取引アプリの1つで、主要トークンの上場廃止は、その価格に悪影響を与える可能性がある。