バイナンスがライトニングネットワーク出金の導入意向を発表
大手仮想通貨取引所バイナンス(Binance)は、ビットコイン(Bitcoin)ネットワーク上での出金に関する輻輳エピソードを経験したことを受け、同社のプラットフォームにレイヤー2ビットコインスケーリングプロトコルであるライトニングネットワークを実装する意向を発表した。
バイナンスは最近、ビットコインベースのスケーリングソリューションであるライトニングネットワークを自社プラットフォームに統合することに取り組んでいることを発表。同取引所は、ネットワークの混雑により1日に2回ビットコインの出金を一時停止しなければならなかった後に発表している。
高額手数料回避に対するバイナンス側の対応
バイナンスが言及した混雑問題は、ビットコインブロックチェーン上で発行されるBRC-20トークンの台頭と関係があり、ビットコインのメモリープールを圧倒したことで、当時13ドル(約1,760円)の手数料で45万件以上の取引が保留中であった。
ライトニングネットワークの出金の実装により、ユーザーは混雑が発生したときにBTCネットワークによって徴収される高額な手数料を回避する選択肢が得られる。バイナンスは、この実装への取り組みを開始することに加え、将来この問題に直面することを避けるために出金手数料を調整し、状況を監視し続け、それに応じて手数料を調整すると発表したうえで、次のようにツイートしている。
This is a learning opportunity for us and we’ll do our best to prevent this from happening again.
Thank you for your patience.
— Binance (@binance) May 8, 2023
これは私たちにとって学習の機会であり、このようなことが再び起こらないように最善を尽くします。
お待ちいただいてありがとうございます。
ネットワークの混雑の裏でBTC流出の噂とバイナンスの対応
2023年5月7日(日曜日)、バイナンスは「輻輳問題が発生している」としてBTCの出金を一時停止し、ネットワークが安定するまで現在修正に取り組んでいる事、できるだけ早く出金を再開すると約束している。
その直後、ビットコインの出金が再開されたものの、同取引所が大量の保留中のトランザクションを抱えていたことが原因となり、再び一時停止している。この状況は、バイナンスからの大規模な流出に関するメッセージの拡散を促す結果となった。ジャオ・チャンポン(趙 長鵬:Zhao Changpeng)CEO(最高経営責任者)は、これらの報道をFUD(※Fear:恐怖+Uncertainty:不確実+Doubt:疑問=悪いうわさの事)として否定した。
バイナンス側は流出について、実際にはBTCアドレス調整によるバイナンスのホットウォレットとコールドウォレット間の移動であり、報告書は取引所のウォレットが他人のものであると誤って特定していたと主張している。