米国の仮想通貨流出が続くなかでジェミニ(Gemini)はアジアに焦点を当てる

ジェミニがインドを中心としたアジアに焦点を当てる

仮想通貨取引所ジェミニ(Gemini)は、米国の仮想通貨流出が続くなか、インドへの移動を伴うアジアでの拡大を視野に入れている事が分かった。

ウィンクルボス(Winklevoss)兄弟の仮想通貨取引所は、グローバルなエンジニアリングおよび運用チームの拡大を発表。4月20日(木曜日)、同取引所はインドのグルグラム(Gurugram、※旧名:グルガオン)に新オフィスの開設を発表。この動きは、仮想通貨業界に対する継続的な取り締まりの中でオフショアに移行した最新の大手仮想通貨企業となった。

ジェミニアジア太平洋(Gemini Asia Pacific)の新CEO(最高経営責任者)に任命されたプラブジット・ティワナ(Pravjit Tiwana)氏は、インドオフィスは米国に次いで2番目に大きなジェミニエンジニアリングハブになると述べている。同取引所は今のところ米国を拠点としているが、規制当局の取り締まりが続けば変更される可能性がある。3月下旬に同取引所は、国際的な仮想通貨デリバティブプラットフォームを立ち上げると発表。しかし、エンジニアリングチームをインドに移すと、人材が米国から離れることになるとしたうえで、同CEOは次のように語っている。

当社は、グルガオンオフィスで働くソフトウェアエンジニアとテクニカルプロダクトマネージャーを積極的に採用しています。また、人材と人材の獲得、財務、サポート、コンプライアンスなどの重要な役割も担っています。


ジェミニがインド市場に乗り込む

同CEOは、インドのジェミニエンジニアリング、設計、運用チームがいくつかの分野で重要な貢献をすることを確認し、これには、次世代ウェブおよびモバイルユーザーエクスペリエンスの開発が含まれる。

同CEOは、コンプライアンス、データ パイプライン、倉庫保管、セキュリティ、および支払いに関する作業もあると述べている。同社のNFTおよび仮想通貨市場向けの新しい機能セットもインドで開発される。

コインベースはオフショア狙いか

2023年4月19日(木曜日)、同じく米国に本拠を置く大手仮想通貨取引所コインベース(Coinbase)はバミューダでの営業許可を取得した後、オフショアへの移行を発表した。

ブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEOは、「移転や必要なことを含め、何でも検討中です」と述べており、米国における規制の明確性の欠如と、初期段階のデジタル資産業界をつぶすというSEC(米国証券取引委員会)の使命に言及している。ジェミニは、その Gemini Earn プログラムに関連する証券法違反で、SECの標的にされている。