フランス国会が新仮想通貨規制法案を可決

フランス国会が新たな仮想通貨規制法案を可決

フランス国会は、フランスの法律をEU(欧州連合)の基準と調和させることを目的とした新たな仮想通貨規制法案が賛成109票、反対71票で可決したことが分かった。

より大きな法案の一部として、フランス国内で活動する仮想通貨企業の新しいライセンス規則導入法案の投票を実施。投票結果は、109対71票で賛成多数となり可決。ただし、業界の圧力により、当初提案されていたよりも寛大な形を取る条項となっている。この規制強化は、FTX崩壊後に開始されたものであり、予想されるEU全体の規則への一歩となることが期待されている。

新しい法律によると、2023年7月から、仮想通貨サービスを提供する企業は、より堅牢な登録プロセスの下でAMF(金融市場局)に登録する必要がある。マネーロンダリング(資金洗浄)防止規定に従い、すでに登録されている場合は、MiCA移行期間が完了するまで、再登録お必要はないとのこと。

新登録提案は仮想通貨サービスプロバイダーにより高基準を設定

最近提案された登録システムは、強化されたガバナンスと資金の分離に関する規則、透明なリスク開示、および利益相反ポリシーなど、仮想通貨サービスプロバイダーにより高い規制基準を課すことになる。

これは正しい方向への一歩ではあるものの、最終投票から1年以上かけて発効するEUのより広範なMiCAの枠組みに代わる適切な方法ではないと指摘の声も上がっている。パリを拠点とする仮想通貨サービス企業Flowdeskの法務およびコンプライアンス部門の責任者であるアンネ・ソフィー・シシー(Anne-Sophie Cissey)氏は、フランスの規制によって設定された要件は、小規模な企業が満たすには高すぎる可能性があり、他の企業と比較して競争上の不利につながる可能性があることに懸念を表明。フランスの仮想通貨ロビー活動グループADANの責任者であるフォースティン・フルーレ(Faustine Fleuret)氏は、これらの措置は消費者保護を確保するために必要であると指摘し、ヨーロッパから新たなスタートアップを追い払う可能性があると警告した。シシー氏もこの意見に同調し、規制を遵守することは「小規模なプロジェクトでは確実に難しくなる」と述べている。