SECがPaxoswo 提訴へ
SEC(証券取引委員会)は、仮想通貨会社Paxos Trust Co.(パクソス・トラスト・カンパニー)に対して、投資家保護法違反で同社を提訴する予定であることを伝えたことが明らかになった。
SECの執行スタッフは、Wells noticeとして知られるPaxosへの手紙、通称ウェルズ通知を発行しており、SECが企業や個人に執行措置の可能性を通知するために使用されるものであるとのことだ。この通知ではPaxosが発行・上場しているデジタル資産であるバイナンスドル(Binance USD/BUSD)ステーブルコインが無登録証券であると主張されている。BUSDは、ドルに1対1の比率でペッグされたBinanceブランドのステーブルコインであり、BinanceとPaxosは、2019年に発売するための提携を発表し、Paxosが運営するデジタル資産取引所itBitもBUSDを上場している。
監視を続けるSEC
SECの通知が、Paxosのコインの発行、コインの上場、またはその両方に特に関連しているかどうかは明らかになっておらず、Paxosの広報担当者は、「Paxos社は個別の事柄についてコメントしていない」と述べている。
Binanceに関しても、BUSDはPaxosが発行・所有しており、そのブランドをライセンスしているに過ぎないと述べ、SECは状況を監視し続けると声明で述べている。一方でSECは、主要な市場参加者に対する仮想通貨の強制執行を強化しており、当NEXTMONEYの特集記事「クラーケン(Kraken)は3,000万ドルの罰金を支払い、米国での仮想通貨ステーキングを閉鎖」で報じているように、Krakenは、米国での仮想通貨ステーキングサービスの提供を停止し、SECに3,000万ドルの罰金を支払うことに合意している。ステーキングとは、投資家が仮想通貨トークンを仲介業者または仮想通貨ネットワークのいずれかに一時的に引き渡すことで、利回りを得られるものである。
SECはこれまで、主要ステーブルコイン発行者に対して強制措置をとったことはなかったが、2022年に仮想通貨市場に特化した特別執行部門を拡大した際、ステーブルコインを焦点の一つに据えることを示唆していた。実際、ステーブルコインの発行者は、ユーザーの預金を現金や、期間の短い米国債などの現金に相当する資産に投資することで、有利なビジネスを展開している。
CoinMarketCapの調べによると、BUSDは2月13日15位時点で、1BUSD=132円(1ドル)前後で推移しており、時価総額2兆1,331億円を超え、時価総額ランキング5位となっている。SECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長は、ステーブルコインは銀行預金やマネーマーケット型投資信託に似ている可能性があり、規制当局が市場を取り締まる裁量が大きくなっていると説明した。