ビッサムオーナーが横領と株価操作の疑いで逮捕される
韓国最大の仮想通貨取引所であるビッサム(Bithumb)のオーナーが、横領と株価操作の疑いで逮捕されたことが現地メディアの報道によって明らかになった。
検察は、現地の仮想通貨取引所ビッサムの事実上の経営者であるカン・ジョンヒョン(Kang Jong-hyun)氏が逮捕されたと発表しており、カン氏は職務怠慢、市場操作、不正取引など複数の疑惑でソウル南部地裁から逮捕状が出されていた。検察によると、株価を操作し、約5,000万ドル(約66億円)を盗んだとされており、現地メディアは、カン氏の兄と妹が企業資金の不正流用と株価操作を画策したと報じている。注目すべきは、ビッサムの別の幹部が、ハードディスクやCCTV録画など、この事件に光を当てられる重要な証拠を破壊したとされ、実刑判決を受けている点であり、今後現地当局がどのように対応しているのかが注目されている。
親会社BTHMB の取引不手際でも家宅捜査を受ける
ビッサムで提供された2,500万ドル(約33億円)のトークンセールと、親会社であるBTHMB HOLDINGS(BTHMB)の取引の不手際が問題となり、ソウル地方警察庁の知能犯罪捜査隊が本社を家宅捜索していたとのことだ。
検察側はさらに、同取引所に上場しているコインの評価額を操作したと主張しており、首都ソウルにある同社の本社に徹底的な捜査と家宅捜索が行われている。
カン氏は、ビッサム傘下のINBIOGEN Co., Ltd.(INBIOGEN)社のトップであるカン・ジヨン(Kang Ji-yeon)氏の弟であり、同企業はビッサム筆頭株主であるVidente(ビデンテ)の株式34.2%を保有し、過半数を所有している。
前会長時代より問題が山積みのビッサム
ビッサムは、2021年のこのセクターに対する締め付けの後、残った5つの韓国の仮想通貨取引所の1つで、その間、およそ70の地元のデジタル通貨取引所が規制基準を順守していないとして閉鎖されている。
FTXの創業者で元CEOのサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)氏は、世界中の仮想通貨会社を買収していたときに、一時期、ビッサムの買収を提案することを計画していたと伝えられているが、合意内容は明らかにされていない。
韓国は常に仮想通貨投資と取引の場として最も活発な国の一つであり、当局は、仮想通貨を規制することで業界が合法化されるという認識から、デジタル資産クラスの規制には慎重な姿勢を見せている。その一方で、ビッサムは前会長であるキム・ビョンゴン(Kim Byung-gun)氏によって2018年にビッサム買収に関する交渉中に、特定経済犯罪加重処罰法に違反し、BKグループの会長であるビョングン氏から8,700万ドル(約115億円)以上を横領した罪で起訴されている。この件に関して、ビッサムの筆頭株主であるビデンテ社の副社長であるパク・モ(Park Mo)氏も、横領と株価操作の容疑で捜査を受けていたが、モ氏は2022年末にソウルの自宅前で死亡しているのが発見されるなど問題が山積してい。