イングランド銀行と英国財務省が「デジタルポンド」プロジェクトを支援

イングランド銀行と英国財務省がデジタルポンドプロジェクト支援へ

BoE(Bank of England:イングランド銀行)とHM Treasury(英国財務省)は、一般に「ブリットコイン」または「デジタルポンド」として知られる英国CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)の開発を支援予定であることが分かった。

英国のCBDCの議論は、2021年4月に始まり、英国財務省は、当時の英国のリシ・スナク(Rishi Sunak)首相のリーダーシップの下、英国の企業と政府にとってのデジタルポンドの実現可能性を評価するため、BoEとの共同タスクフォースを立ち上げた。それ以降、両当局がデジタルポンドが英国経済にもたらす可能性のある潜在的な利益とリスクを比較検討し、複数の議論と報告が挙げられている。21カ月にわたる調査と協議の後、両当事者は最終的に決定に達したとみられる。

英国はCBDCを必要とする可能性が高い

イングランド銀行のアンドリュー・ベイリー(Andrew Bailey)総裁とジェレミー・ハント(Jeremy Hunt)財務長官は、世界が進化するにつれて現金の使用が減少すると予想されることに基づき、国有デジタル通貨の導入を支持すると予想されている。

現金メインの経済からキャッシュレスなデジタル経済へ移り変わる事について、両社が共同で発行したコンサルテーションレポートには次のように述べられている。

これまでのわれわれの仕事に基づいて、イングランド銀行と英国財務省は、デジタルポンドが将来必要になる可能性が高いと判断しました。インフラストラクチャー構築にコミットするのは時期尚早ですが、さらなる準備作業が正当化されると確信しています。


2030年までにデジタルポンド導入のロードマップを発表へ

イングランド銀行と英国財務省は来週、2030年までに英国経済への「デジタル ポンド」の導入を成功させるためのロードマップを発表し、スタンスを公開する予定とのこと。

名前が示すように、中央銀行デジタル通貨は、国の中央銀行によって発行および配布されるデジタルトークンであり、CBDCはブロックチェーン技術を使用して作成され、国の法定通貨と同じ価値と機能を共有するものだ。世界がブロックチェーン技術を採用するにつれて、多くの市民や企業がデジタルポンドのアイデアに興奮しているものの、この金融の動きの影響については依然として大きな懸念がある。デジタル ポンドの出現をめぐる主な懸念の1つは、物理的な通貨が最終的に段階的に廃止されることだ。しかし、イングランド銀行は、デジタルポンドが現金の代わりとしてではなく、現金と一緒に使用されることを継続的に英国民に安心させてきた。さらに、もう1つの懸念として注目されているのが、2023年1月30日に公開されたCBDCに関するローズ経済問題委員会のレポートで述べられているように、「人々の支出選択に対する国家の監視」である。

しかし、同レポートによると、CBDCは、個人の取引履歴へのアクセスを必要とする法的状況を除き、現在の通貨と同じレベルのプライバシーをユーザーに提供すると述べている。とはいえ、デジタルポンドのもっともらしいポジティブなニュースは、過去数年間のブロックチェーン業界の目覚ましい成長を示しているにすぎない。仮想通貨は依然としてブロックチェーンの最大のアプリケーションであり、2022年のかなり激動の年を経て、仮想通貨市場は今、再び上昇している。