インドネシアが今年中に仮想通貨取引所の設立へ
インドネシアは、仮想通貨に関する規制権限を商品庁から金融庁に移行する前に、今年中に仮想通貨取引所を設立する予定であることがブルームバーグの報道によって明らかになった。
インドネシアにおける仮想通貨は現在、Bappebtiとして知られるインドネシア商品先物取引規制庁の監督下で商品契約と並行して取引されている。広範な金融セクター改革の一環として、金融庁は今後2年間で資産に対する規制権を引き継ぎ、Bappebtiのディディッ・ノルディアットモコ(Didid Noordiatmoko)長官は、その時までに取引所を設立する必要があると述べている。
法定通貨ルピアと競合を警戒しつつ仮想通貨支持
インドネシアは、唯一の法定通貨であるルピアと競合することを警戒しつつ、仮想通貨を支持しており、インドネシア中央銀行は、デジタル通貨をマッピングする白書を発行し、最近通過した法律では、仮想通貨とデジタル資産を規制された金融証券として認めている。
また2022年に市場活動が急落しても、新しい投資家はインドネシアの仮想通貨市場に殺到しており、インドネシアでは、2021年末の1,120万人から、今年最初の11カ月で1,600万人の仮想通貨投資家が市場に参入。それでも、仮想通貨取引額はその期間に約300兆ルピア(約2.5兆円)に縮小し、2021年に見られた859兆ルピア(約7.3兆円)のおよそ3分の1にまで減少している。
現在、インドネシアで取引可能な仮想通貨とローカルコインは383種類あり、さらに151種類の資産と10種類のコインがBappebtiによって検討されていることも明らかになっている。
Bappebtiからインドネシア金融庁へ権限の移行
一方で、2022年10月にインドネシア政府は仮想通貨取引所の規制を厳しくすることを発表しており、いつ解禁されるか期限を示さずに、仮想通貨取引所のライセンス供与を禁止したことが話題となっていた。
実際、金融セクター開発強化法案(P2SK)は、12月15日にインドネシア下院で批准(ひじゅん、※国家による最終確認または同意)され、金融サービスセクターにおける主要な法的参考資料となったことで、法案によって固められたBappebtiからインドネシア金融庁への権限の移行が行われている。これにより国家財務省のFinancing and Risk Management(資金調達とリスク管理)の責任者であるスミント・サストロスウィート(Suminto Sastrosuwito)氏は次のように語っている。
仮想通貨は投資や金融商品になっているので、他の金融や投資商品と同等に規制される必要があります。
東南アジアが仮想通貨に厳しい法律を設けるというニュースが流れた際、インドネシア議会はこの新しい規制を提案し、仮想通貨は、2022年に波乱の年を迎えたにもかかわらず、この地域で活況を呈している。