DOJ米国司法省がFTXハッキングの調査を開始
先月物議を醸したFTXハッキング事件で、3億7,000万ドル(約496.5億円)以上の損失が発生した件について、DOJ(米国司法省)が犯罪捜査に乗り出したことが明らかになった。
大手メディアの報道によると、この調査は、前CEO(最高経営責任者)のサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)が現在マンハッタンで直面している詐欺事件とは別のものだという。ハッキングに関する捜査は、DOJのNCET(National Cryptocurrency Enforcement Team:国家仮想通貨執行チーム)が指揮をとっており、このチームは、デジタル資産捜査を専門とする検察官のネットワークで構成されている。
内部の犯行説濃厚のため調査が開始される
問題に詳しい人物によると、搾取された資金の一部が当局によって凍結されたことを明らかにしたうえで、バンクマン-フリード氏にかけられた詐欺容疑とは別に、今回のエクスプロイトが内部犯行の可能性が濃厚なため、調査を開始したとのこと。
Following the Chapter 11 bankruptcy filings – FTX US and FTX [dot] com initiated precautionary steps to move all digital assets to cold storage. Process was expedited this evening – to mitigate damage upon observing unauthorized transactions.
— Ryne Miller (@_Ryne_Miller) November 12, 2022
連邦破産法第11章の破産申請の後、FTX USとFTX.com は、すべてのデジタル資産をコールド ストレージに移動するための予防措置を開始しました。不正な取引を観察した際の被害を軽減するために、今晩プロセスが迅速に処理されました。
ハッキングされた資金はミキシングサービスを利用後にOKXに送金か
ハッキングは当初、Twitterの仮想通貨コミュニティによって報告されており、FTX従業員はその後、Twitterで人気のオンチェーンスルースであるZachXBTに、FTX所有のウォレットから数億ドルが流出したことを確認している。
その際、FTX従業員は予防策として資産をコールドウォレットに移し始めていたため、当初の数字は6億5,000万ドル(約872億円)近くに上るとのこと。その後、ジョン・レイ三世(John Ray III)現CEOが、11月11日に連邦破産法第11章の適用を申請した数時間以内に不正アクセスがあったことを認た。ハッキング後の数日間、犯人は悪用されたトークンをイーサリアム(Ethereum/ETH)に交換しており、その後、RenBridgeサービスを使ってビットコイン(Bitcoin/BTC)に交換。犯人は追跡を困難にするためにミキシングサービスを利用したことも明らかになっている。
また、ある情報筋によると、盗まれた資金の一部がビットコインミキサーを使ってシンガポールの取引所OKX(旧名:OKEx)に送金されたと主張しており、OKXのマネージングディレクターであるレニックス・ライ(Lennix Lai)氏は、OKXは状況を認識しており、チームはウォレットフローを調査。しかし、マンハッタン連邦検事局の広報担当者は、この問題について確認もコメントもできないと述べ、DOJとFTXはロイターのコメント要請にすぐには応じなかったという。
一方で、FTX創設者バンクマン-フリード氏は、この事件はFTXの元社員か、元社員のコンピューターに不正にアクセスした人物によって行われたと主張しており、8人くらいに絞ったものの、だれが犯人かはわからないと、市民ジャーナリストティファニー・フォン(Tiffany Fong)氏のインタビューに答えている。