タイ財務省がデジタル経済強化のため仮想通貨取引の付加価値税7%を撤廃

タイ財務省が仮想通貨取引の付加価値税7%を撤廃

仮想通貨ハブとなることを目指して、タイ財務省が仮想通貨取引に対する付加価値税7%を即時撤廃した事が分かった。

現地メディアBangkok Post(バンコク・ポスト)の報道によると、タイ財務省は新たな税制改革を通じて同国を仮想通貨活動の中心地として確立する予定だ。パオプム・ロジャナサクル(Paopoom Rojanasakul)財務大臣秘書官は、仮想通貨市場を資金調達の実現可能な手段として推進するという同省の意図を強調し、この取り組みはタイ経済を強化するだけでなくタイの成長を促進することが期待されると述べている。

タイがオフショアデジタル資産投資家にとって主要な管轄区域の一つとして浮上していることも同秘書官強調。新たな税制の導入は国のデジタル資産市場を大幅に強化する可能性があると主張した。しかし、同秘書官は、政府が金融システムの発展の可能性を活用しながら、同時に金融システムの安定を優先することの重要性を強調している。なお、同財務省は、2024年1月1日から発効し、終了日のないVAT(付加価値税)の免除を導入。新しい指令の下では、仮想通貨取引から得られた収入に対する7%の VAT 義務が免除されるとのこと。

以前は認可された仮想通貨取引所のみに適用されていたが、現在はタイSEC(タイ証券取引委員会)の監督下にあるブローカーやディーラーもこの免除対象となる。さらに、同財務省とタイSEC間で、デジタル投資トークンと証券をより適切に連携させるための2019年証券取引法を改正する計画が進行中であると報告書は述べているが、具体的な詳細については明らかにしていない。

大幅に減少したタイのアクティブ仮想通貨取引き口座

今回タイ財務省の動きは、デジタル資産エコシステムの開発に着手し、企業に資金調達のためのユニークな手段を提供するタイ第2位の銀行であるカシコンバンクPCLによる最近取り組みの直後に続くものである。

同銀行は選ばれた顧客に対し、資本調達の手段としてトークン発行を検討するよう奨励。このような努力にもかかわらず、2017年の仮想通貨ブームとその後の市場暴落を考慮すると、タイ人の間には仮想通貨に対する警戒心が広がっている。大手メディアブルームバーグによると、2023年11月の時点でタイでは約11万6,000のアクティブな仮想通貨取引口座が記録されており、公式データが示す2021年のピーク時の約70万口座から大幅に減少している事が明らかになっている。