スペイン中央銀行がホールセールCBDC実験プログラムを開始
スペイン中央銀行(Banco de España)は、ホールセール(※1)CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)のための独自の実験的プログラムを開始する計画を発表した事が分かった。
一般消費者向け取引を指す「リテール(英語:retail)」(小売など)に対し、リテール業務を行う機関投資家や企業を対象にした取引(卸売など)の事。
スペイン銀行は、ホールセールCBDCの実験的プログラムへの参加に関心のある組織と協力することを検討。12月5日(月曜日)付けの声明によると、同銀行は主に3つの分野に焦点を当てる予定とのこと。同プログラムは、資金の動きをシミュレートし、金融資産の流動化を実験。ホールセールCBDCを現プロセスに導入することのメリットとデメリットおよびインフラの分析を目指している。また、同銀行はプロジェクトに関する提案を策定できる業界企業の協力を求めており、世界銀行(World Bank)は、この研究について、ますますデジタル化する社会のニーズと要求にどの程度適応できるかを判断するのに役立つと説明している。
ホールセールCBDCはEUリテールデジタルユーロ研究とは別
ホールセール CBDC は、一般に公開されているリテールCBDCとは対照的に、銀行が中央銀行に留保するために利用されるデジタル通貨である。
スペイン銀行は、ホールセールCBDCプログラムは、現在EUが行っているリテールデジタルユーロの研究とは関係がないと主張している。同中央銀行は、その新しい試みの目的について、そのような通貨を使用する実現可能性を確立し、決済プロセスを提供する利点をテストすることであると述べている。同銀行は2023年1月31日まで提案を受け付けた後、可能な選択のために各提案の評価を開始するとのこと。選択された提案は、2023年4月3日から9カ月以内に実行する必要があり、2023年12月29日までに完了すると推定されている。