コインベースのCEOは、2022年に収益が50%以上減少すると予想

コインベースのCEO が2022年の収益を予測

大手仮想通貨取引所Coinbaseは、2022年の収益が急激に減少すると予想しており、2022年には前年比でほぼ50%以上の減収になる可能性があると述べたことが明らかになった。

Coinbaseのブライアン・アームストロング(Brian Armstrong)CEO(最高経営責任者)によると、価格の下落や競合する取引所FTXの崩壊の結果、投資家の信頼が揺らいでいることから、収益の大幅な減少が見込まれている。Coinbaseの株式は2022年にその価値の80%以上を失い、同社第3四半期の収益は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)が史上最高値を記録した2021年の最後の3カ月間の4分の1しかないとのこと。また、2021年には、約70億ドル(約9586.7億円)の収益と約40億ドル(約5,478億円)のプラスのEBITDA (※1)を達成したが、すべてが下がってきている今年は、そのおよそ半分かそれ以下になると予想されている。

(※1)Earnings Before Interest, Taxes, Depreciation, and Amortization=財務分析上の指標の1つで、税引前利益へ特別損益、支払利息、減価償却費を足して求める値の事

ブルームバーグの予想と一致する収益

コインベースはこれまで収益全体の通期見通しを示していなかったが、ブルームバーグがまとめたデータによると、アームストロング氏の予想はアナリストが予想する約32億ドル(約4382.5億円)と一致している。

さらに、金利の上昇と景気後退の懸念の悪化により、仮想通貨融資企業のVoyager Digital3AC(Three Arrows Capital)、FTXCelsius Netwokなどの主要プレイヤーが破産したことで価格が暴落し、この分野から2兆円近くの資金が流失した。

実際、Coinbaseは、利息や減価償却費などの特定支出を除いた調整後EBITDAという収益指標に基づき、2022年には5億ドル(約686億円)を超えない損失を見るかもしれないと表明している。アームストロング氏によると、サム・バンクマン‐フリード(Sam Bankman-Fried)氏のFTX社の破産は、倒産後のインタビューでバンクマン‐フリード氏が語ったように、管理不足や会計ミスではなく、大規模な詐欺の結果だったという。そのため、アームストロング氏は次のように語っている。

彼らは取引所から顧客の資金を預かり、それを実際にミキシングしたり、ヘッジファンドに移動させたりして、結局は水面下の状態に陥ったようだ。これらの行為は彼らの利用規約に反しており、法律にも反していると思います。

しかし、FTXの影響にもかかわらず、アームストロング氏は議会でこの業界を擁護し続けるつもりだと述べ、仮想通貨に特化した法律が来年にも制定される可能性があると予想している。一方で、Refinitiv(リフィニティブ)のデータによると、アナリストはCoinbaseの収益が第4四半期に75%急落して6億2,150万ドル(約852.5億円)になると予想しており、同社の株価は今年に入ってから80%以上減少したとのことだ。