シンガポール金融庁MASはFTXユーザーを保護していた可能性

MASがFTXユーザーを危機から保護していたのか

MAS(Monetary Authority of Singapore=シンガポール金融庁)は、仮想通貨取引所FTXユーザーを危機から保護していたのではないかとの疑惑が浮上している。

11月21日(月曜日)、MASは、同取引所はMASによって認可されておらず、オフショア(※海外・国外または租税優遇地を指す)で運営されていたことからFTXのローカルユーザーを保護することはできないと述べたほか、MASはなぜBinanceをIAL(Investor Alert List=投資家アラートリスト)に追加したものの、FTXは追加しなかったのかについて明確にしている。すべてのオフショア仮想通貨取引所と仮想通貨取引所に関する情報を投資家アラートリストに追加できない理由を挙げ、FTXの大失敗からさらに身を守っているのが現状だ。

MASがFTXとBinanceの誤解に対処

21日のプレスリリースでMASは、FTX崩壊に続く疑問と誤解に対処している。

先にも述べたように、FTXはMASによるライセンスを受けておらず、オフショアで運営されていないことから、FTXローカルユーザーの資産をリングフェンシング(※1)したり、FTX資産リザーブで裏付けたりして保護することはできず、MASは規制されていない団体と取引することの危険性について一貫して警告している。

(※1)リングフェンシング(Ringfencing)とは…
企業資産や利益の一部が、必ずしも独立した事業体として運営されることなく、財務的に分離されていること。

投資家は、MAS が仮想通貨取引所BinanceとFTXを異なる方法で扱った理由に疑問を呈している。BinanceはIALに掲載されたものの、FTX はリストに含まれていなかった。機関投資家や個人投資家を含むシンガポールの投資家は、FTXのトップ投資家と言う側面を有していた。実際、シンガポール政府が所有するテマセク・ホールディングス(Temasek Holdings)は、FTXのトップ投資家の1つであった。

BinanceがIALに登録される

MAS は、シンガポールでユーザーを積極的に勧誘した後、BinanceがIALに登録されたことを明らかにした。

Binance は、シンガポールドルでのリストの提供を試み、PayNowやPayLahなどのシンガポール固有の支払いモードを受け入れている。MASも、2021年1月から8月にかけてBinanceに対して受け取っている一方で、FTXはシンガポールのユーザーを勧誘していない。ただし、シンガポールユーザーはオンラインでFTXサービスにアクセス可能な状態であった。さらに、商務部はBinanceをPS法(資金決済サービス法)違反の可能性について調査したものの、FTXは同法に準拠していたことが判明している。さらにMASは、すべての仮想通貨取引所とオフショア仮想通貨企業をリストに掲載することはできないと主張。また、世界のどの規制当局もそうしていない。なお、規制当局側は、仮想通貨投資リスクについて投資家にタイムリーに警告したと主張している。

シンガポールの投資家は大きな影響を受ける

シンガポールは、投資家が仮想通貨市場で頻繁に取引や投資をするため、仮想通貨ハブへの移行を目指している。

しかし、テラ(Terra/LUNA)危機により仮想通貨市場が暴落した後、MASは厳しい姿勢を示しており、シンガポールの投資家は、TerraとFTXの大失敗の影響を大きく受けている。イーサリアム(Ethereum)の共同創設者であるヴィタリック・ブテリン(Vitalik Buterin)氏は、MAS の厳格な規制措置を非難。同氏は、デジタル資産に対する懐疑的なアプローチのため、シンガポールの仮想通貨ハブになろうとする努力はうまくいかないかもしれないと考えている。

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