デジタルルーブルの送金と支払いをサポートするVTBのモバイルアプリ
モスクワのメガバンクであるVTB銀行(JSC VTB Bank)は、モバイルアプリケーションにデジタルルーブルを追加したロシア初の銀行になった事が分かった。
アプリの統合は現在、法人向けに設定されたアカウントでテストされている状況だ。一部ユーザーには、今後数カ月以内にアクセスが許可され、試用版に参加できるとのこと。VTB 銀行は、ロシアの金融機関の間で先導して銀行アプリのユーザーが口座を開設し、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)で送金できるようにするプロトタイプ機能を開発した。
一部の顧客は、2023年にデジタルルーブルでテスト取引が許可されると、銀行のプレスサービスが発表しており、VTBの執行委員会副会長であるヴァディム・クリク(Vadim Kulik)氏は次のように説明している。
この段階では、法人のウォレットの開設をテストしています。すでに法人を登録し、そのウォレットを設定し、購入代金を支払うための静的QRコードを生成しています。
2024年までにデジタルルーブルと通常の電子マネー間の交換を目指す
金融技術フォーラムFinopolis-2022の期間中、VTB銀行はデジタル金融資産、または現在のロシアの法律に基づく発行者とのコインとトークンを、デジタルルーブルで購入する機能も示た。
同銀行はまた、2024年までにデジタルルーブルと通常の電子マネー間の交換を可能にする交換機能を開始する準備をしているとのこと。ロシアの中央銀行にあたるロシア銀行は、2020年10月にCBDCのコンセプトを発表し、2021年12月にプロトタイププラットフォームを完成させ、プロジェクトのパイロットフェーズは、2022年の1月に開始された。5月、金融当局は、2023年4月に顧客間の実際の取引でデジタルルーブルのテストを開始する計画を発表。2024年の本格稼働を目指しているとのこと。
同プロジェクトには、約十数の商業銀行やその他の金融機関が試験に参加しており、デジタルルーブルは、現金と銀行の通貨に次ぎ、ロシア通貨の第3形態となる。なお、オンラインとオフラインの両方の支払いを容易にするため、現金と非現金ルーブルの両方の特性を持つことが期待されている。