フィデリティが個人投資家向け手数料無料のBTCおよびETH取引を提供へ

Fidelityが退職年金制度の一部投資メニュー部BTCを追加

4.5兆ドル(約660兆円)の資産運用会社であるFidelity Investments(フィデリティ・インベスメンツ)は、同社の401(k)退職年金制度の一部の投資メニューに、ビットコイン(Bitcoin/BTC)を追加したと発表したことが明らかになった。

米国のニュース専門放送局CNBCによると、同社の新しい仮想通貨取引サービスは、子会社のフィデリティ・デジタル・アセット(Fidelity Digital Assets)によって提供される予定でとのこと。

他社と差をつけたサービスを提供するFidelity

Fidelity Cryptoと名付けられたこの新サービスは、個人投資家にビットコインを最小限の手数料で提供することを目的としており、手数料の代わりに、すべての取引に1%のスプレッド(※買値と売値の価格差)を組み入れている。

また、Fidelityのみならず、サンフランシスコに拠点を置く401(k)プロバイダーのForUsAllは、550社の顧客のうち50社が8週間ほど前から従業員の退職金をビットコイン(Bitcoin/BTC)とイーサリアム(Ethereum/ETH)に預けさせ始めたと発表。ForUsAllのデビッド・ラミレス(David Ramirez)CEO(最高経営責任者)は、同社でデジタル資産に対する需要が高まっていることを挙げており、同社でこのようなプランを使って投資できる2,500人の従業員のうち、300人が投資しているという。

Fidelityが4月に退職金制度向けのビットコインを初めて発表した時、この商品は雇用者と労働者の両方から高い需要があると述べている。さらに、Compass Miningも退職金制度に仮想通貨を追加したビットコインマイニングハードウェアのプロバイダーであり、数カ月前にForUsAllとのプランを開始し、70人の従業員のうち63人がこのプランに参加。その中には最高戦略責任者のジェイソン・ナニー(Jason Nunney)氏も含まれているとのこと。同氏は退職金制度の5%を仮想通貨に割り当てることを選択したが、これはForUsAllが許可する最大値である一方、Fidelityは退職金の最大20%をビットコインに投資することを認めている。

しかし、ウォールストリートジャーナルの11月3日(木曜日)の報道によると、Vanguard Group、Alight Solutions LLC、T. Rowe Price Group Incなど他の401(k)プロバイダーは、同様のプランを用意していない。その理由として、デジタル資産を取り巻く規制環境が不透明なことに加え、企業の需要が不足していることを理由に挙げている。実際、Alightは、300万人以上の労働者を抱える90の雇用主を対象とした調査の詳細を記した報告書を近く発表する予定だが、それによると、仮想通貨の追加に関心がある回答者はわずか4%だった。Fidelityは、ビットコインとデジタル資産の主要な機関推進者であり、BTCを優れた貨幣形態と呼び、受け入れが拡大すると考えている。