児童虐待素材増加で仮想通貨受け入れサイトも増加

IWFは児童虐待のために仮想通貨を受け入れるウェブサイトの増加に警告

児童の性的虐待の素材を仮想通貨で販売するウェブサイト数は2018年以降毎年倍増しており、IWF(Internet Watch Foundation=インターネット監視財団)の最新調査結果によると、児童虐待関連の素材販売サイトの増加により、仮想通貨による支払いを受け入れているサイトが増加している事が分かった。

慈善団体であるIWFは、世界中に散らばっている児童の性的虐待画像およびビデオの数を最小限に抑えることを目的としており、同データは、規制当局が仮想通貨を含む違法取引を世界的に取り締まる中で判明している。

IWFは、2021年に児童虐待のコンテンツを含む約250,000のウェブサイトを特定し、そのうち 1,000件が仮想通貨による支払いを受け入れている。その数は2018年の18件から増加しており、毎年倍増し続けている。IWFは、調査開始からこれまで仮想通貨を受け入れるサイト数は、急激ではなかったものの、2022年に増加すると予測。また、加害者は取引の半分以上をビットコイン(Bitcoin/BTC)で支払っており、他にもドージコイン(Dogecoin/DOGE)、イーサリアム(Ethereum/ETH)が利用されている。

取引増は加害者像を意味する

ロンドン警視庁の児童性的虐待および搾取部門のダレン・ヤング(Darren Young)氏も同様の声明を発表しており、主に加害者は、世界中の児童虐待資料の取引またはライブストリーミングのほとんどのサービスを仮想通貨で支払っている事を明らかにした。

2021年、米国政府が資金提供する非営利団体である行方不明および搾取された子供たちのための国立センターは、2020年から35%増加して、2,930万件の子供の性的虐待の報告を受けている。加害者は、仮想通貨の匿名性によって児童虐待素材を世界中で取引できると思い込んでいる。銀行や仮想通貨取引所は、これらの活動を特定して阻止する上で重要な役割を果たせ、搾取と人身売買の金銭的動機を取り除くための次の最前線である。ICMEC(International Centre for Missing & Exploited Children=国際行方不明・被搾取児童センター)の戦略顧問であるエリック・オルソン(Eric Olson)氏は次のように語っている。

取引量が増え続けているという事実は、加害者が取引から利益を得ていることを示しています。


自動性的虐待画像と戦うIWF

IWF は、Coinbase、Apple、Amazon など、175を超える加盟国や組織と協力して児童性的虐待画像と闘っている。2022年3月、Coinbaseの調査により、児童の性的虐待の素材に関連しているとされ69,000のユーザー アカウントが特定され、詳細を法執行機関に転送しており、IWFは次のように述べている。

IWFアナリストは、仮想通貨と引き換えにオンラインで児童の性的虐待の画像が販売されているのを定期的に目にしています。虐待の下取り写真は、被害者のいない犯罪ではありません。彼らの苦しみの記録がいつでもオンラインで取引されたり閲覧されたりする可能性は、性的虐待の生存者を悩ませています。これは新しいレベルの虐待です。私たちはそれを止めるためにここにいます。

なお。IWF は、仮想通貨アラートの使用も初公開ししており、仮想通貨会社は、加害者がデジタル通貨を使用して児童の性的虐待資料を取引した際、このサービスを使用してリアルタイムの通知を受け取れるとのこと。また、仮想通貨取引所は、プラットフォームでの違法取引に関連するユーザーアカウントを特定でき、アラートとともにIWFはビジネスで使用される画像のメタデータを企業に提供し、スタッフが悲惨な画像を見るのを防いでいるとのこと。