インドネシア商務省が仮想通貨規制強化を検討か
インドネシア商務省は、仮想通貨取引所を管理する新たな規則を発行することを計画していることが分かった。
大手メディアロイター通信によると、インドネシア政府は、国内における統制を強化するため、取締役会および委員会の3分の2がインドネシア国民であり、インドネシア居住者であることを要求する新しい規則を実施する予定と報じている。同省のBappebti(インドネシア商品先物取引規制庁)はまもなく新しい法律を発行する予定で、Bappebtiのディディッド・ヌールディアトモコ(Didid Noordiatmoko)社長代行は、公聴会でインドネシア議会に対し次のように述べている。
取締役会の3分の2をインドネシアを拠点とするインドネシア人にすることで、取引所に問題が発生したときにトップマネジメントが逃げるのを防ぐことができる。
インドネシア政府は、仮想通貨の採用の拡大を抑制する手段としてデジタル通貨を規制し、CBDC(中央銀行発行デジタル通貨)を導入することを検討してきた。今回検討されている措置は、仮想通貨取引に関与するインドネシア国民および住民の大部分に影響を与えるものである。
東南アジアの金融問題がきっかけでインドネシアが決断
ガイドラインに関して、ジェリー・サンブアガ(Jerry Sambuaga)貿易副大臣は、新しい規則は、取引所が顧客の資金を保管するために第三者を使用することも要求しており、企業がそのような保管された暗号資産を再投資することを禁止している。
他の東南アジア諸国は仮想通貨に関する規制を強化しており、タイでは証券取引委員会が最近、仮想通貨オペレーターが預金および貸出サービスを提供またはサポートすることを禁止。シンガポール、タイ、インドネシア、およびオーストラリアで運営されているアジア太平洋地域で最も人気の仮想通貨取引所Zipmexに対し、コンプライアンス違反で訴状を提出している。MAS(シンガポール通貨庁)は、個人投資家に強力な警告を発し、仮想通貨へのアクセスを制限するためにますます厳格な措置を講じる一方で、仮想通貨を避けるよう警告している。
Chainalysis による最新調査Global Crypto Adoption Index 2022の上位 20カ国に、他の主要なアジア諸国や新興市場とともにインドネシアが入ったことで、より市場からも注目されている。さらに、仮想通貨取引所Geminiによる調査でも、インドネシアの仮想通貨所有率は世界で最も高く、同国の多くの投資家はデジタル資産を将来のインフレに対する保護と見なしている事が分かる。Bappebti のデータによると、仮想通貨は東南アジア最大の経済圏でのみ人気を博しており、同国の仮想通貨総取引量は2021年に1,000%以上増加し、859.4兆ルピア (約8.3兆円)に達している。