SARB が地方銀行向けの仮想通貨ガイドラインを発行

SARBが銀行向け仮想通貨ガイドラインを発行

南アフリカの中央銀行にあたるSARB(South African Reserve Bank=南アフリカ準備銀行)は、地方銀行が仮想通貨および仮想通貨会社と取引を行うための、ガイドラインを発行したことが明らかになった。

SARBのプルデンシャル・オーソリティ(Prudential Authority=健全性機構)が発表した同文書では、銀行がすべての仮想通貨取引に、マネーロンダリング(資金洗浄)防止とテロ資金対策を採用することを提案しているとのこと。同ガイドラインの中でSARBは、金融機関は仮想通貨を全面的に禁止すべきではなく、デジタル資産を持つ顧客と取引する際にデューデリジェンス(※1)を実施するよう呼びかけている。

(※1)デューデリジェンスとは…
Due Diligence=適正評価手続きのことで、仮想通貨投資家が投資をする際、投資対象通貨に対するリスクやリターンを適正に把握するための事前調査のこと。

銀行のリスク管理にSARB が介入へ

今回発行されたガイドラインでは、すべての仮想通貨取引にマネーロンダリング防止とテロ資金対策を採用するよう銀行に助言しており、新たな規制フレームワークとなると期待されている。

例えば、金融庁が銀行のリスク管理体制が不十分であると判断した場合、SARBが介入し、政策や手続きに加え、プロセスや内部統制を強化するよう要請できるとのこと。というのも、一部の銀行が仮想通貨を所有する顧客の口座を閉鎖した後、この分野を管理する適切な規制がないことを理由に発行されたものであり、銀行の顧客取引に関して、適切な記録を維持することを保証するように促すものとのこと。

銀行に対して包括的評価を要求

SARBはさらに、リスクが大きいとして仮想通貨関連の口座を閉鎖した銀行に対し、市場にはリスクが存在するが、銀行はそのような重大な手段に訴えるのではなく、むしろ包括的な評価を行うべきであるとの見解を示した。

実際、2022年7月にSARBのクベン ナイドゥ(Kuben Naidoo)副総裁は、今後12~18カ月の間に仮想通貨規制を展開することを確認し、仮想通貨を支払いオプションとしてではなく、主流部門で活用できる金融資産として認識すると述べている。そのため、金融商品として、仮想通貨は南アフリカの金融情報センター法の管轄下に置かれ、マネーロンダリング、脱税、テロ資金調達活動を監視することになるとのこと。

また、SARBは南アフリカの取引所が仮想通貨の上場を許可するために、KYC(Know Your Customer=本人確認手続き)規則や取引所管理規則といった従来の銀行規制を含む規制の枠組みを開発する予定であると付け加えた。一方で、2021年、南アフリカの金融監視機関であるFSCA(Financial Sector Conduct Authority=金融セクター行動権限)は、イーサリアム(Ethereum/ETH)、リップル(XRP)、ライトコイン(Litecoin/LTC)の取引の進め方を規定するため、プルデンシャルオーソリティと金融監視委員会と共同で2022年に規制フレームワークを発表する計画を明らかにしている。