イーサリアムはマージ移行に先立って最終テストを完了

イーサリアムがマージ(Merge)テストネットを完了

イーサリアム(Ethereum/ETH)のブロックチェーンは8月10日(水曜日)、チェーンの大規模アップデートである最後のマージ(Merge)テストネットを完了したことが明らかになった。

イーサリアムブロックチェーンは、PoW(プルーフ・オブ・ワーク)ネットワークから、PoS(プルーフ・オブ・ステーク)ネットワークへの変更を行う予定であるマージ移行に先立って、最終テストを完了させたとのこと。約10年前に誕生して以降のイーサリアムは、ビットコイン(Bitcoin)のマイニング方法と同様のPoWモデルを使ってマイニングされてきたことで知られている。しかし、PoWモデルでは、マイナーが複雑な数式を解いてイーサリアムのブロックチェーン上のトークンをマイニングする必要があり、その過程で膨大なエネルギーを消費している。そのため、PoWマイニングは環境への負担が大きいと批判を受け、イーサリアムブロックチェーンもPoSへの移行を予定していた。

アップグレードによる利点

PoSは、エネルギー消費量が少なくなるだけでなく、取引速度を飛躍的に向上させることが期待されており、イーサリアムブロックチェーンでの取引スピードの向上にも注目が集まっている。

実際、このアップグレードにより、エネルギー消費が99.9%削減され、プロトコルが新しいブロックをチェーンに追加するためにマイナーに報酬を支払う必要がなくなるため、ETH発行量が90%削減されるなどのメリットが期待されている。マージ前の最後のテストは、10日の夜21時45分(※日本時間の8月11日06時45分)に完了しており、テストは全体的にうまくいったとされ、マージが完了することで完全にPoSへの移行が完了するとのこと。

イーサリアム財団の研究者は、ドライランの成功を決定する際に、ファイナライゼーションが最も関連性の高い指標であると述べており、いくつかの小さな問題はあったものの、概ね成功していると明かした。最終的に問題がなければ、イーサリアムは9月15日から16日の間にPoWメインネットとPoS Beacon Chainを統合し、ネットワークをPoSメカニズム上に移行させる予定とのこと。