超党派の提案によりCFTCが仮想通貨取引所の監視を推進
SAC(Senate Agriculture Committee=上院農業委員会)は、ほとんどの仮想通貨取引所に対し、CFTC(Commodity Futures Trading Commission =商品先物取引委員会)の監視権限を確立する法案を提出した事が分かった。
SACの上院議員チームは、ほとんどのデジタル資産取引所に対してCFTCの監視権限を確立する法案を提出。デビー・スタベノウ(Debbie Stabenow)民主党上院議員とジョン・ブーズマン(John Boozman)共和党上院議員によって提出された同提案は、委員会で超党派の支持を得ており、コリー・ブッカー(Cory Booker)上院議員民主党とジョン・テューン(John Thune)共和党上院議員の共同提案を受けているとのこと。
デジタル資産が商品と判断するプロセスを体系化へ
2022年のデジタル商品消費者保護法は、デジタル商品の法的定義を成文化し、そのような商品を扱う取引所に対する「監視権限」をCFTCに付与するほか、デジタル資産が商品であると判断されるプロセスを体系化させる事へつながる。
同法案は、ビットコイン(Bitcoin/BTC)とイーサリアム(Ethereum/ETH)を商品として明示的に分類しているものの、証券を含む特定金融商品を除外している。これは、同法案の起案者が、未知の数に上るデジタル資産を証券として分類する法的余地を認めていることを示唆している。また、同法案はCFTC に対し、エネルギー消費に関する数多くの研究と、政策決定に情報を提供するための人種と性別のデータに関する調査を実施するよう指示しており、スタベノウ民主党上院議員は声明の中で次のように語っている。
米国人の5人に1人はデジタル資産を使用または取引していますが、これらの市場には、金融システムに期待される透明性と説明責任が欠けています。だからこそ、規制のギャップを埋め、これらの市場が顧客を保護し、金融システムは安全です。
SEC議長の反発は必至か
下院と上院の両農業委員会は、少なくとも一部のデジタル資産をCFTC権限下に含めることに関心を示している。
これは、少なくとも部分的には、上院と下院の農業委員会がCFTCを監督しているが、SEC(米国証券取引委員会)を監督していないという事実に起因している可能性がある。その権限は、上院の銀行委員会と下院の金融サービス委員会に与えられており、デジタル証券の定義について同様のタスクを実行する法律は、法律に進む前にこれらの委員会でのサポートが必要となる。
スタベノウ民主党上院議員とブーズマン共和党上院議員は6月から同法案に取り組み、米国の仮想通貨法を明確にするため、他議員のグループに加わっている。これらの中で最も注目すべきものは、6 月に上院議員のシンシア・ルミス(Cynthia Lummis)上院議員によって提出された「Responsible Financial Innovation Act」で、キルステン・ギリブランド(Kirsten Gillibrand)上院議員も、優先規制機関としてCFTCを支持しようとしている。
仮想通貨業界のインサイダーや幹部は、主にSECのゲイリー・ゲンスラー(Gary Gensler)議長が市場に対する敵意を有していることから、CFTC が仮想通貨市場に対してより大きな影響力を持つように圧力をかけているだけに、同議長による反発も今後予想されている。