セルシウスネットワークの弁護士は、ユーザーには仮想通貨に対する権利がないと主張

セルシウスネットワークユーザーは資金引き出しが困難に

セルシウスネットワーク(Celsius Network)が引き出し、スワップ、送金を制限して以来、プラットフォームから資金を引き出そうとするユーザーにとって深刻な状況が続いていることが明らかになった。

最近公開された情報によると、セルシウスネットワークが雇った破産弁護士は、ユーザーがプラットフォームに資金を預けた時点で、その資金に対する法的権利を放棄したと主張しているとのこと。というのも弁護士は、ユーザーがセルシウスネットワークが提示した利用規約に同意していたため、プラットフォームに対して、仮想通貨を好きなように扱うことに同意しており、これには預けられたコインの売却、使用、担保設定、再担保設定などが含まれ、その裁量で行えると記載されているという。

実際に同利用規約を見ると、Celsius Earn or Borrowアカウントにコインを預けることで、プラットフォームがこれらの資産を完全にコントロールできることが明確に記載されている。さらに、コインの所有権は同社に譲渡され、同社はこれらのコインを使用、販売、担保、および再担保にする権利があると明確に記載されているとのこと。この主張が正しいとすれば、同社に仮想通貨を預けている150万人以上のユーザーは、技術的には何の所有権も持っていないことになるため、失った仮想通貨への請求などは一切できないことになる。

ユーザーがどの程度の責任を負うのかという議論を呼ぶ

しかし、Celsius Earn or BorrowとCelsius Custody Programに関しては全く別の問題であり、利用規約によると、ユーザーがコインの所有権を保持し、セルシウスは顧客から承認を得ることなくコインを使用できないと主張している。

そのため、これまでのこれらの手続きの結果は、利用規約に書かれていることについて、ユーザーがどの程度の責任を負うのかという議論を呼び起こしているのが現状で、ほとんどの利用者は利用規約を読んでおらず、そのようなプラットフォームを利用する際、何にサインしているのか分からないというのが一般的な認識となっているとのこと。

一方で、同社初の破産審理の文書 によると、プラットフォームに預けられた仮想通貨の約77%が顧客ではなく、同社に属していることが明記されていたとのこと。とはいえ、これが同社とユーザー間の長い戦いになることは明白であり、Mt. Goxの訴訟の結果を考えると、これは何年も引き延ばされることが予想され、ユーザーは投資した仮想通貨のわずかな金額しか取り返すことができないことも十分に考えられている。